蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
男女男女。
【概要】
アニメーション制作:スタジオバインド
2023年1月5日 - 3月23日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、漫画家・ねことうふによって『月刊ComicREX』で連載中の漫画作品。
監督は、藤井慎吾。
【あらすじ】
緒山真尋はエロゲを愛する自宅警備員(引きこもりのニート)で、
成人済みの男性のはずが目覚めたら女子中学生ぐらいの美少女になっていた。
犯人は妹の緒山みはり。飛び級で大学に入り怪しい研究をしている天才理系少女だ。
引きこもって2年になる兄に怪しい薬を飲ませて女の子の身体にしての、
「お兄ちゃん改造計画」
それは、女の子として暮らすことで強制的にダメニート状態からの生活習慣の改善の意図があり、
大学の実験として経過観察データを記録しているっぽい。
女の子の身体や生活に慣れない、まひろ(真尋)のガールズライフ。
みはりの友達のかえでや、今の身体の同年代の中1少女たちとの交友関係で、
女の子になっているお兄ちゃんの意識は確かに変わりつつあるのだった?
【感想】
中学生をやり直したまひろが進級する直前の春休みの原作の第4巻の第38.5話までをアニメ化。
原作者のねことうふ先生は、TSもの(性転換もの)が好きと語っていて、
趣味で同人誌で始めたら人気が出てしまい、商業化→アニメ化とトントン拍子。
ちょっと?ラッキースケベな展開もありますが、原作漫画は少年誌の絵柄で内容は健全寄り?
自分が感じた作品のイメージは男性向けの癒やし漫画でしょうか。
主人公のまひろは、弱者男性の条件をいくつかクリアしているニートであり、
アニメやエロゲでは2次元嫁がたくさんいても、3次元相手の恋愛経験値が無さそう。
二十歳の男性であるまひろはターゲットである読者層のアバターであり、
それが女子中学生に混じってイチャイチャする背徳感が混じった夢の世界を叶えるのにも、
障害となる社会的な壁があって、性転換して女の子になっちゃえば、
合法的?(それも違うか)に女の子とイチャイチャできるという作者のアイデア。
まひろには男性目線での恋愛対象になるキャラが不在だからこそ男に戻るモチベーションが薄く、
ブラコンや百合といった感情の相関図に組み込まれている一種の理想郷が達成されていて、
TSものとしても男性向けのバブみがある優しい世界を読者目線で観察して優しい気持ちになれる、
その原作漫画を読めば、この作品が何を伝えたいのか察することが可能だと思います。
また、まひろは反応も女子っぽくなりますが、精神的には男性ベースであり男心が解るがゆえに、
視聴者と心の距離感が近くて親しみやすい、そして外面的には、
あざとくて気安いマスコットキャラ的な女の子キャラとして、色々と美味しい女の子(仮)
としての人気があるのもわからなくもないですね。
それがアニメ化して話題作となりましたがOPとEDのインパクトが強いですよね。特に作画面で。
本編に一切登場しないEDの猫って何者?と疑問でしたが、
ローマ字で「NEKO TOFU」と書かれていて、あれは作者だったのですね。
キャラデザは一応は原作がベースですがアニメ用にアレンジされていますね。
原作通りですとキャラの髪色がかぶるためか、
識別用に水色やオレンジ色などを挿してのツートーンカラー。
みはりの友人で高校デビューでギャル化したかえでなんか、バストサイズを大増量したり、
原作では特に強調されてない手の指の爪をオシャレに描き込んでみたり、
ソックスの変更などファッション設定を作り込むことで、キャラクターとしてのギャルをアピール。
原作通りのほうが良かったという意見もありますが、一件シンプル寄りのキャラデザの中に、
わかりやすいアピールポイントをアニメ向けに取り入れる。表情の動作の作り方などにも、
外見的な特徴を個性化することで、アニメーションとして有能なスタッフであることがわかります。
個人的にはむちゃくちゃ面白い内容ではないですが、
作品を面白くしようとするスタッフのやる気が伝わってくる良作であるとは思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。