ねるる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:----
どクズな主人公だが悪くない!アニメ業界と声優業界の裏側をコミカルに描く、良作お仕事アニメ
小説版、漫画版共に未読。
2016年放送。全12話
社会を舐めきったメンタルを持つ主人公"烏丸千歳"は、新人声優としてデビューを果たす。やる気なし、仕事なしの主人公とシビアなアニメ業界を描くお仕事アニメ。
今まで見たことない題材でしたが、メインキャラからサブキャラまで、キャラクターがとても魅力的ないい作品でした。
主人公烏丸千歳は、ほんとにクズという言葉がぴったりな謙虚さの欠片もないどう考えてもいい子では無いキャラでしたが、憎みきれない頭の良さや才能の原石のようなものを感じたし、こういう子が結局強いと思わせてくるようなキャラ作りが見事でした。主人公を演じる声優:千本木彩花さんは、今作が初主演ということですがキャラ感が完璧で、ベテランのような貫禄すら感じる演技でした。
業界の裏側、シビアさがギャグ要素多めで描かれますが、原作者側とアニメ制作側の強引なやり取りが最近起きた悲しい事件と重なり少し考えされられました。アニメ一つ一つが、たくさんの人が関わって作り出されているという有難みを持って見なければという気持ちになった。クソアニメが多いのも真実ですが、携わった人がいるという敬意は忘れずにいたい。
6話~8話にかけてのメインキャラに出てくる売れっ子声優2人側の、社会人としてプロとしてのプライドや苦悩が描かれている話は心に響いたし、クズなプロデューサー九頭さん(cv中井和哉)と苦労人なアシスタントの十和田(cv江口拓也)のやり取りも面白く社会人としてあるあるだなと思う人も結構いるのではないだろうか。江口の苦労人下っ端演技がすごく好きなので他でももっとやって欲しい。熱血マネージャー松岡重三(cv松岡禎丞)も出番は少なめだけど熱く面白い良いキャラだった。
最後まで主人公は変わらず主人公らしさを持ったまま、前向きに進んでいく姿が描かれていて、なんだかクズな主人公だったけどどこか爽やかな気持ちになれるいい作品でした。
こんなにクズな主人公作品なのにストレスそんなになく見れるなんて不思議。日々の生活を楽しませてくれるアニメ業界と関係者に感謝してまた明日もアニメ見ようと思います。