アニメイト さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ブルーハーツの人にやさしくをコンセプトにした作品
タイトルにはブルーハーツと書いたがそこまで甲本ヒロト氏に詳しいわけじゃないので悪しからず。歌詞の「僕だって今だってくじけそうになる」ことと重ね合わせるのは弱い存在であるモブである主人公4人。また単に弱いだけでなくくじけそうになる心の動きがあることがすなわち、モブにも各々の人生があるという描かれ方と重ねているとも感じた。 そしてその4人が、国(このアニメでは日本は分裂したので県や地方)の趨勢を決められるだけの特別な力を持ちながら生き方に悩みを抱えているモサ(猛者の意)を「ガンバレ!」と応援して、サポートして正しい決断を促す。 ただ、サポートと言っても直接的なメンタルサポートでも、パワーアップアイテム(ハートの形をした石やバイク)を渡すでもない。モブよりも重要人物の籾山・魚虎守・ダンディ・一条菊志乃といったキャラがパワーアップアイテムを渡す事がほとんど。が、自転車は逢衣、千綾が。大門は主要人物4人渡した。そして主要人物4人ともモブなれどモブにあらずという良い塩梅でじわっと成長して良い感じ。望未はあんまり変わらなかった(元からモブでも関係なく危険に突っ込んで人助けをする完成形だったため)が、結季奈は漫画家志望になり、逢衣は石頼みでなく石がなくとも自力で危険に突っ込み2の段階に目覚め、最終話で修行して3の段階へ行き(逢衣の父親は5らしい)、千綾は友達ができて旅が進むにつれて表情豊かに明るくなった。
スピード感のある映像と明るくパステルな色使いで爽やかな印象もあるのだが、それが爽快感100%!!!とならないのがこの作品のオッシイイイイところ。
広島岡山編のストーリーは、話が2つ同時に進んだり、悪匠が石作ストーンズを裏切ったり、美作ピーチの出番があったのかなかったのかよく分からないぐらい登場が短く印象に残らない、九鬼温羅が岡山に重税を課す悪人と見せて石作ストーンズから岡山を守っていたり、主要人物4人が最初逢衣だけ岡山他3人広島、だったのが、千綾が4人でいるべきと逢衣を探しに行って岡山で逢衣と合流したり、今度は千綾がいなくなったのを探すために尋ね人ポスターをコピーしに行った結季奈が道に迷って石作ストーンズ本部に迷い込んだり。
匠座、悪匠座の存在が、始祖神輿を石作ストーンズから取り返そうと攻めて来るのだが、物語を通じてこの二つの組織はなんでその始祖神輿を求めるのか分からない。
と、ざっと書くとんな感じで、まだ何で九鬼温羅は良い人なのか、お好み焼き屋での解説もよく分かってない。非常に頭を使う作品だった。これを書く事で疑問点を整理しながら見返してやっと十分に理解できた。
こういう理解が難しくて楽しみきれない場合、複雑で情報量が多いストーリーが悪いとしたら良いのか、自分が悪いとしたら良いのか。どっちにしてもかなり悲しい。でも整理して理解できた事だし、かなり運は良かった方だね。処理しきれないままタイム‘ズアップというということも世の中多いから。ひとまず理解しようと努力したこと、これをよーくよく褒めて、次回以降の努力にも繋げて、少しでも生きやすくするのが一番良いだろう。
と、最後アニメの評価から少し離れて、難解なアニメの楽しみ方、ひいては人生の楽しみ方の話になった。
9話以降の広島岡山編が複雑で情報量が多く面食らった以外、キャラ音楽ストーン作画演出全て神作だと思う。