とろろ418 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今の話をしてほしい
【魅力的に思った点】
・エモーショナルなコンセプト
・現代に合わせた表現法を用いている
【残念に思った点】
・コンセプトに対して世界観やキャラの強度が低い
・物語そのものはつまらない
・キャラ同士の交流で表現すべきところが回想頼りになっている
・分かりやすくするために描写だけで済むところへ不必要な説明を挟んでいる
【総評】
・75点
鬼滅が説明の説明だとすると、フリーレンは描写の説明といった印象でした。おそらく時代の流れなのでしょうね。表現としてのレベルは単純な描写よりも一段落ちてると言わざるを得ませんが、視聴者に伝わならなければ元も子もないので、これ自体をどう評価すべきか難しいところ。私個人としては否としたいところだけれど、ただまあ鬼滅ほどくどくはないですし、その辺りを考えるための良い教材にはなるので一応この評価で。
一般的な説明と描写、フリーレン流描写の説明についての説明はこちら→{netabare}
例)ヒンメルの影響でとある紅茶が好きになったフリーレンを表現する場合
・説明:そのままキャラが会話ですべて説明する
・描写:いつも特定の紅茶を飲んでるフリーレン→ヒンメルの故郷を訪れた際にその紅茶がそこの特産物であると判明する
・描写の説明:いつも特定の紅茶を飲んでるフリーレン→誰かが突っ込みを入れ、回想ですべて説明する{/netabare}
作品自体の面白さは凡。コンセプト自体がいいのでなんとなくエモーショナルな雰囲気は出せてますが、それを体現するための世界観、キャラ、物語が圧倒的に弱いですね。特に世界観はナーロッパに近く、細部は丸投げに近い状態。例えるなら、お涙頂戴もののエモい版でしょうか。
より広い層を取り入れるためには仕方なかったのかもしれませんが、コンセプトを最大限に活かすならバトルを排除してヒューマンドラマに徹するべきだったと思いますね。最低でもヒンメルの顔を忘れてゆくとか、英雄は平和と共に傷跡も残していたなどの展開は欲しかったです。
【こんな人におすすめ】
・エモーショナルな雰囲気が好きな人
・描写を読むことに慣れてない人
・世界観やキャラの厚みを求めない人