蒼い✨️ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
映像が味気ない。
【概要】
アニメーション制作:P.A.WORKS
2023年4月4日 - 6月20日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、漫画家・高松美咲によって『月刊アフタヌーン』で連載中の漫画作品。
監督は、出合小都美。
【あらすじ】
岩倉美津未は15歳。石川県のはしっこの過疎地で生まれ育ち、
地元では成績優秀な神童らしい。中学を卒業して東京の旧帝国大学に入って、
卒業後は官僚になって地元に恩返しする人生設計。そのために上京して、
東京の進学校の、つばめ西高校にに入学。
ところが入学式の日、都会の駅はわけわからなくて迷子になって、
通勤ラッシュでくたくた。こんなときに一緒に学校まで案内してくれたのが、
おなじく入学式に遅刻しそうな少年の志摩聡介。
実は同じクラスである聡介といっしょに高校にたどり着いた美津未は、
新入生代表の宣誓をやり遂げた直後に気分が悪くなって体育館で嘔吐したり、
いろいろとインパクトある行動で人生設計が躓きかけるのだった。
【感想】
黒沢ともよさんが主演ということで観てみました。
人間の心の機微を大事にして等身大の思春期を描こうとする素朴な漫画が原作で、
美人ではない頑張りやさんのヒロインの愛嬌、そして性格の良いイケメンとの距離感や、
いろんなキャラクター同士の関係の変化を楽しむ作品であるとは思うのですが、
主人公の美津未が美人ではない三白眼で黒目が小さいとかは自分には問題ではなくて、
美津未の口の形が∇であるとか、志摩くんの笑顔がお面みたいだったりだとか、
表情に一切の魅力を感じさせない原作の作画のままのアニメの映像が、
そのまんま作画のお芝居のつまらなさから情緒をくすぐらないアニメとして、
周囲の高評価に反して、自分には盛り上がるところがひとつもなくて、
淡々と消費するだけのアニメでした。
原作の解釈の正しさと忠実な映像化がされているアニメではあると言えますが、
派手な展開や演出が一切存在しない地味な物語のアニメだからこそ、
日常の芝居の積み重ねでキャラの魅力が培われていけばいいなと思いつつ、
定型的な作画芝居が原因でのアニメーションとしての表現力の乏しさが、
どうにも自分にはつまらないです。同じシナリオでも作画と演出のやり方次第で、
いくらでも印象が変わって心に染みると思うのですよね。
強調された演出とか視線を誘導するようなカメラワークをしているアニメは、
政治家が聴衆を惹きつける演説のプレゼンテーションの技術で心理誘導をしていたり、
写真撮影がカメラマンの技術次第であるように、きちんと目的を持って演出を駆使しています。
この作品にも映像と演出の意図はあるのでしょうが、
これがこのアニメの作風であるにしても。あまりにも素朴で絵面にメリハリがなさすぎてて、
アニメーション自体の魅力を全く感じられませんでした。
日常系の地味なアニメでも面白いものがいくつかありますので、
地味なものが悪いわけではないですけどね。
とりあえず、自分には全く合わなかったものとして、
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。