Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
私の世界、生まれつき音が音じゃない世界… 恋と憧れ… ピュアラブストーリー…
この作品の原作は未読ですが、綺麗で繊細なキャラデザに惹かれたのが視聴のきっかけでした。
それにすみれちゃん、本渡さんに奈央ぼうまで出演しているんです。
わたしにとって見ないという選択肢はありませんでした。
この手で「好き」って伝えたい…。
累計発行部数380万部突破(電子含む)、各種賞にランクインし、
SNSなどでも多くの反響を集める森下suuが描く『ゆびさきと恋々』。
女子大生の雪は、ある日困っているところを同じ大学の先輩・逸臣に助けてもらう。
聴覚障がいがあって耳が聴こえない雪にも動じることなく、自然に接してくれる逸臣。
自分に新しい世界を感じさせてくれる逸臣のことを雪は次第に意識し始めて…⁉
聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリーがはじまる。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
聴覚障害は過去にも取り上げられたことがあります。
京アニさんの「映画 聲の形」や王様ランキングに登場する主人公のボッジも耳が聴こえませんでした。
この2作品に共通するのは偏見や痛みという、本来生活していく上で全く意味をなさない2つの感情が障害となって大きく立ちふさがっています。
でも、この作品にはその生涯を微塵も感じることがないんです。
寧ろ、障害を綺麗な世界に昇華しているようにすら感じられます。
雪の感じる音が音じゃない世界…
この世界で生きられるのはその世界を受け入れることができたからだと思います。
無響音室に一人で入って長時間音が遮断されると気が動転してしまうと聴いたことがあります。
音は五感の一つで生きるために切っても切れない生活を当たり前の様にしてきたから…
でも、それが当たり前じゃない世界が存在することを改めて認識しなきゃいけないと思いました。
今すぐ出来ることなんて、きっと一つも無いと思います。
でも、万が一、そういう場面に遭遇した際には是非手を差し伸べられる人間でありたいと強く思いました。
雪ちゃんの心情を代弁するすみれちゃんの演技も抜群でした。
言葉の一言が雪ちゃんに寄り添っている感じが最高…
雪ちゃんの心の揺らぎが素直に表現されているのは、きっと声に出してないからなんだろうなぁ、とか、もう伝わり過ぎるくらい流れ込んで来るんですが、一貫しているのはそこに綺麗が必ず内在しているという点でしょうか。
でも、この物語に登場するヒロインは雪ちゃんだけじゃありません。
本渡さん演じるりんちゃん、そして奈央ぼう演じるエマだって物語に彩りを添えています。
特に奈央ぼう演じるエマ…どれだけの思いを積み重ねてきたんでしょう。
時間の経過と共に、心から溢れる抑えきれない気持ちに何度涙したことでしょう。
そこに待っているのは自己嫌悪に陥って余計に滅入ってしまうデフレスパイラル…
形は三者三様ですが、どの恋もピュアなんだと思います。
だって、人を好きになる気持ちの根底には打算なんて無いと思いますので…
だから、ようやく芽吹いたそれぞれの大切をしっかり育んでいくことを願ってやみません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、Novelbrightさんによる「雪の音」
エンディングテーマは、チョーキューメイさんによる「snowspring」
どちらの楽曲も通勤時に聴いています。
1クール全12話の物語でした。
dアニメストアでは「音声字幕版」も配信されていたので視聴してみました。
情報量がとても多い印象がありましたが、それは聴覚も使って五感全てで受け止めているから…
試しに消音してみました。
既に完走しているので、すみれちゃんや本渡さんボイスが脳内に広がってくれますが、初見ならそれも無いんだろうなぁ…と思うと決して情報量が多い事なんてありませんでした。
例えばオープニングとエンディングが始まると「♪~」しか表示されないんです。
音階が見えない主題歌…それでもそこに確かに音楽は存在するのですが、私には気付くのが難しそうです。
しっかり堪能させて頂きました。
もし、雪ちゃんの続きが見れるならこんなに嬉しいことはありません。
続編も期待していますね♪