takato さんの感想・評価

4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

「カレイドスター」に通ずる破滅しないスポ根魂の熱き血潮。プリキュアと同じく「意志」の物語。

　以前から気になってた作品ですが、いざ見始めたら面白すぎて他が手がつかない…。こんなトンデモナイ作品だったとは…とイニシャルＤと同じく遅すぎた自分を恥じ入るばかり。人間、熱すぎて感動して涙を流すことはそうないもんだが、グレンラガン以来くらいの号泣具合…。それにしても、ロリオーナーってウマ娘に似てるのう、あっちは理事長だが。


　凸凹メンバーが弱小チームを優勝に導くとか「がんばれベアーズ」ぐらいから何百回も使い古された手だよ、と理性ではわかっている。でも、涙が出ちゃういい歳こいたオタクだもん…な傑作でした。「風が強く吹いている」もですが、こういう悪く言えばベタ、上手くやれば王道な作品こそエンタメの基本である、予想通り期待以上を成し遂げてくれると最高！。


　ただ、王道なライバル達も成長する展開は最高なんですが、悪役の社長も改心したから良し！なのは流石にどうかと。話数あった割には詰めが少々急ではあったし、正直「はぐれリーガー編」はテンション下がりました…。その辺がなければ「風が強く吹いている」と同じく個人的最高峰アニメ入りだったんですがねぇ…。とはいえ「グレンラガン」より先に古臭いとされていた熱血をここまで復活させてくれていた作品はそうない傑作であることは間違いありません。


　あと、本作を見ていた私が連想したのば一見全然違うプリキュアでした。見てない人の印象と違って、シリーズごとに微妙にテーマの色合いが違いますがプリキュアはかなり熱血であり、「意志」の物語に帰結することが多いのです。


　人間自身が思っている以上に「意志」の力こそ不条理を覆す巨大な底力を秘めたものである。そして、その「意志」とは誰かに強制したりされたりするものではなく、自発でありながら共有された時、即ち「違うけどお揃い〜」byキラプリの主題歌な時こそ最強の力となるというテーマ性。これこそ私の魂を震わせるものなのです！。社会性や政治的なテーマを避けざるをえなかった日本のアニメにおいて私が心から興味深く思えるのは、こういった実存や人間性のあり方、即ち魂が主題になっている熱い物語たちこそ真に震える傑作であると言いたい。