てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
異世界カワイスギクライシスと思いきや、割と骨太なノブレス・オブリージュと異種族共存の道
なろう系の異世界転生系で、過労死したOLが、貴族幼女に転生、動物好きとそれに向いたギフトを得て無双する。
【良い点】
可愛い幼女が無邪気にムツゴロウムーブする様が和む。
この手の異能ギフト得ての無双は作者(と読者視聴者)の願望を体現していい、もふもふしたいは悪くないコンセプト。
主人公は幼女の無邪気さと前世成人女性な知識良識を使い分けて、あざとい。
あざとくはあるが、無垢な聖女ぷりはちゃんと出ていた。
前世大人なアドバンテージを活かし、歳不相応なノブレス・オブリージュたらんとする気概も良かった。
優しくもちゃんとしてる父や兄たちから学び、成長する過程が丁寧。
単なるお花畑ではなく、課題に向き合い悩み成長している。
種族対立や差別と対峙するテーマも良かった。
4話ロッテンマイヤーさんめいた差別主義者家庭教師と対峙する話が特に良い。
チートごり押しではなく、忍耐強く向き合って相手の本質見抜き論破、丁寧な作劇だった。
作画は良くは無いがネマは可愛かった。
加隈亜衣ボイスの幼女は絶品。
古谷徹ボイスの父親も良かった。
この手の父親は池田秀一氏の方が多い印象だけど古谷氏もヒケを取らず。
【悪い点】
転生設定は要らなかった気がする。
主人公は聡明で可愛いんだけど、中身大人が幼女演じていると思うと微妙に気になる。
この手の聡明な幼姫タイプは大好きだけど、設定のせいで全然萌えない。
モフモフによる癒しが、主人公(中身成人女性で幼女演じる)の独りよがり感。
結局、ネマに萌えられるか否かが楽しめるポイントで、その点あまり萌えられず。
他キャラも悪くは無いが、テンプレの域を出ず。
脚本は良いものの、モフモフとシリアスが噛み合わない。
シリアスもこの手の作品としては良い方ではあるが、特有の御都合感や独善を感じる。
キャラデザは悪くないが、アニメとしての作画はチープ。
【総合評価】5点
なろう系の女性主人公無双としては割とちゃんとしていた作品。
点数の割に評価は高い。
ただそれ故に、やはりこの手の限界も感じる。
内容は良いだけに、なろう特有の気風が惜しい。あとアニメーションの質。
評価は「良い」