「【推しの子】(TVアニメ動画)」

総合得点
84.0
感想・評価
676
棚に入れた
1927
ランキング
298
★★★★☆ 4.0 (676)
物語
3.9
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おじの子()

『【推しの子】』(おしのこ)は、原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴによる日本の漫画作品。
第1期は2023年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された。第1期の放送終了後、第2期の制作が発表された(wikipedia)

正直思ってたんと違いました。タイトルから「主人公が推してる子」として単に応援しているアイドルとのラブコメ的なものを想像してましたがまさかのその「主人公が推してる子」と「推している女性から産まれた子」とのダブルミーニングになってるとは。しかも外側の【】にも意味があるらしいのですが原作未読の自分からすれば現時点での意味は不明。ていうかアニメでもまだ回収されてないですよねこれ?

スペシャル放送された一話とそれ以降ではストーリーがガラッと変わるのが特徴の本作。何で一話にあれだけの尺を取ったんだろうと思ってましたがこんなことになろうとは……と純粋に驚き。単純な転生ものだと思ってたらまさかのサスペンスものでしたね。

主人公のアクアこと星野 愛久愛海(ほしの あくあまりん)は死後即自身の推しアイドルである星野 アイの赤子として転生。前世ではゴローこと雨宮吾郎(あまみや ごろう)という産婦人科医で当時の年齢は三十路?とのこと。現時点でもゴローは安否不明のままであるらしく、おそらく書類上は死んだことにもなってないっぽい。
もう一人の主要キャラであり今世ではアクアとの双子の兄妹でもあるルビーこと星野 瑠美衣(ほしの るびい)は前世でそんなゴローに恋した天童寺さりな(てんどうじ さりな)。彼女は難病を患い余命幾ばくもないこともあってアイにのめり込み、またゴローとは16歳になったら結婚する約束をするものの12歳の時点で逝去。ゴローはある意味においてはさりなに希望を与えたとも言えますし、別の視点では絶対に無理ということがわかっていたから安請け合いしたとも言えます。いやほんと、さりなが16歳まで生きてたらどうするつもりだったんですかね。少なくとも彼は彼女が16歳になるまでは他の女性と結婚することは許されなかったわけですが、まあなんというか冗談半分の軽いノリで言ってたんだとしたら無茶苦茶不誠実だなと思わなくもありません。かといって本当に16歳と結婚したらそれはそれでアレなわけで、滅多なことは言うべきじゃないですねw

ぶっちゃけこの体は子供、頭脳は大人のゴローおじさん、個人的には無職転生さんところのルーデウス君よりもキモかったです。彼はアイの子供として転生してるのにもかかわらず授乳を拒絶するシーンがあったのですが、それって元医者としてどうなのって思わずにはいられませんでした。実際のところ自分の赤ちゃんにお乳を吸ってもらえないって母親としてどんな感情になるんでしょうね。作品としてはあくまでアクアの倫理観がしっかりしている(ロリコンではない)事のアピールだったのでしょうが、こんなシーンを見せつけられると当初アイに帝王切開を薦めたのも少女の自然分娩を手伝うのが倫理的に良くないとか思ったからじゃないのかと邪推してしまいます。まあ最近のお医者さんなので授乳拒否が母親の精神状態ひいては母体に悪影響を与える根拠はないというエビデンスがあったりなんかしてそれに従ってるだけなのかもしれませんが、でも転生後にアップデートされてる可能性もあるわけでそういう「ええかっこしい」はむしろ害悪というかそういうこと気にするんなら産婦人科医になんかなるなよとか色々思っちゃいました。(ちなみに本当にそんな査読済み論文があるのかどうか知りません)

かと思ったら彼が高校生になると今度は精神は肉体に引っ張られるとか何とかで、ようするに元おじさんだけどJkと恋愛しまっせキスしまっせの予防線を張りにきたりなんかでよくわかりません。んなもん赤子の頃の方がどう考えても理性的に行動できるわけないだろと思うんですがね。
まあ実際はラブコメしないと文字通りお話にならないわけですから理由はよくわかるんですが。

現時点でのアクアの恋のライバルは子役の頃からの知り合いである有馬 かな(ありま かな)と恋愛リアリティショー番組で共演した黒川 あかね(くろかわ あかね)との二人だけですが、前世での16歳約束設定なんかも含めてルビーが兄とどうなっていくのかというのも見物な気がします。(と、今気づいたんですがさりなも含めてラブコメ対象者って名前が平仮名になってますよね。これも何かの伏線なんでしょうか?)

作画は極めて上質で良好。瞳の星描写はアイとその子供たちだけの特権ではないらしくアイをトレースしたあかねの瞳にも宿るところから見て何らかのカリスマ性やスター性のアナロジーなんでしょう。
シナリオ面で一時賛否両論になったようですが、確かにあのネットリンチの描写はタイムリーではありました。ただ自分はどちらかというとその件に触れたことそのものよりはあまりにも真に迫った演出の方が良くも悪くもヤバかった気がします。作中でも触れられてましたがこういう事例が多いからこそ原作としても描いたんでしょうし(時系列的には原作の方が先の筈)

全体的に少女漫画的なノリなんで横槍メンゴ個人の作品だと思ってたら原作は赤坂アカだったんですね。この人もヒットメーカーですよねえ、想像以上の取材力を発揮してますし、何より伏線管理が意外なほど上手。「かぐや様」なんか先の事考えないで作ってたらしいのにちゃんと綺麗にまとまってたんですから原作に専念して描かれた本作はきっともっとすごい作品になる気がします。

{netabare}ところで映画監督ってあれだけ結構売れたような人でも子供おじさん化するんですね。芸能界のような華やかな世界に身を置きそれなりの実績もある方をこどおじとして煽れるんですからわたくしのようなうだつの上がらない人間からすれば実に胸アツですし、一方で何の背景もないモブ子供部屋おじさんも

監督=子供部屋おじさん
ぼく=子供部屋おじさん
監督=ぼく

論理で無双できそうですしWINWINの関係だと思いました。一億総監督時代も近そうです。{/netabare}

投稿 : 2024/03/05
閲覧 : 73
サンキュー:

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