よ! さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
ストーリーの整合性無さ過ぎ
1話観た率直な感想は、理不尽に苦しめられるシンデレラみたいな話しなんかなー、と。
これって現代の価値観で考えるとかなり変なんだけど、大正時代辺りの価値観に自分の頭を調整して観ると割と受け入れられる。その頃の価値観って、まあそんなもんやな、と。家長の発言力が絶大で、当主の決定には何者も逆らえない。それは辰石幸次と斎森香耶の政略結婚で、幸次がこの決定には逆らえないと発言している事でわかる。
わざわざ相思相愛な幸次と美世じゃない辺りにシンデレラストーリーにありがちな主人公に対する嫌がらせ大好き感が見えてなかなか掴みは良い。この時点での違和感は特に無い。違和感を覚えたのは、辰石家当主が実は美世を最も欲しがってたとこ。
ナンデヤネーン。
美世への個人的な嫌がらせ目的で香耶の意見を尊重した結果なのか知らんけど、当主の決定権激大な世界観設定でこれは無いっしょ。
辰石家当主が美世の事を最優先に欲しがってんのに、何で幸次と香耶?いや、後々揉める展開に持ってく予定の作者の都合に合わせればそれで良いんだろうけど、登場人物の目的に行動が全く伴ってないやん?辰石家当主は、まず美世が欲しいんだよね?息子なんて道具程度で、家の繁栄が全てという価値観の合理主義者。幸次香耶の前に、美世&長男か美世&幸次でとりあえず話し纏めて、何が何でも美世を確保したいマンの辰石家当主が幸次&香耶許可する?斎森親父も結局は政略結婚目的なんだから、出すのは美世でも香耶でもどっちでも良い。結局は両方とも能力の高さ低さで可愛さまで決まってる道具としか見てないんだから。最終的には香耶の意見なんてどうでもいーの。親父の決定が一番な世界なわけよ。美世欲しくて家に火まで点けるオッサンが幸次香耶で首を縦に振る?振らねーよ。長男か次男使って美世確保してから次の話しやろ。
こういった、こんな登場人物ならこんな決定はあり得ない、という矛盾がこの物語にはあり過ぎる。蔵の中で外の状況が分からないまま失神した筈の美世に、あの後みんな大丈夫だったのですか?とか言わせてる辺りに、美世の好感度をもっとアゲたい作者の意志がミエミエ過ぎて、もうくっさい。いや、美世はあの状況知らんはずなんですけど。美世って香耶殺されて悲しむ?美世がお守り忘れる流れは自然で良かった。忘れるタイミングが決行の日という出来過ぎな話しは暗黙の掟なので特に問題なし。それ以外は全てに於いてこの世界のルールにも登場人物の人物像とは乖離が酷く、理由が苦しすぎる。他にもまだまだ悪臭放つご都合展開あるけど、文字打つのが面倒臭くなるほど稚拙でとにかく呆れる。アニメ作った人の失敗なのか原作者の失敗なのか知らんけど、整合性なさ過ぎ。
その世界の中の登場人物の価値観に合ってるか否かは大事。モブだろうが主要キャラだろうが、これを疎かにされると、登場人物の人間味が薄っぺらく感じられて没入出来ない。悪人は悪人なりの、悪人であるからこその判断があって初めてキャラが生き生きと動き、物語に没入感を出し、見る者の感情を移入させる。
こんなの感情移入出来ませんて。