くろわっ3 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ゆっくりでいい、人生で一度観てほしい。
前作の視聴ハードルを越え完走できた人なら
今作はウイニングラン。ご褒美、余裕で楽しめる。
AFTER STORYが本編と言われるが全くその通りだろう。
全くギャルゲでもなくなった。
つくづく前作の退屈さと、女子お断り感が残念。
また、わたしは好きだが今の人には絵の古さも足を引っ張るはず。
大勢に観て欲しいのに、、、
<感動について>
感動売りがイヤで避けている人もいるだろう。
クラナドで感動できない人は、
よほど幸せな人、あるいはよほど不幸な人だと思う。
ほとんど人は煮え切らない中庸に位置するから、きっと泣ける。
極端な境遇チェッカーとして視聴してみてはどうだろう?
<テーマ(家族)について>
ヒーロー、ヒロインになる人は滅多にいないし
ロボットに乗る人も魔法を使う人もこの世には存在しない。
しかし、親は絶対に存在する(した)し
片想いを含めれば恋愛の1つくらいは経験があるだろう。
こんな少子化でも半数は子を持つ。
つまり親、伴侶、子にまつわる物語は
大勢の人間が体験する現実的な設定の物語なのである。
しかしそれをテーマとする作品は
映画、小説、ドラマを含んでも激減してしまったし、
むしろ忌避されているかのような無言の圧を感じる時代になってしまった。
アニメも同様で、このテーマの作品が制作されることは金輪際無いだろう。
よって、クラナドが最後の名作となるはず。
消去法的に、不朽の名作は必然。履修する価値があると思う。
<作品として>
もはや前時代的なギャグを交えつつ明るい雰囲気のようで
常に暗雲をちらつかせる空気感が描写されていて、鬱アニメ感が強い。
その点は疲れるアニメだろう。体力を使った。
絵柄は別として、
風景や色彩、人物の眼差し等
さすが京アニという仕事だったと思う。
クラナドを観ずして京アニは語れないような考えになった。
最終話に関しては多少不納得な点もあるが
人による、そのくらいでいいんじゃないか?と思う。
<まとめ、それでもおすすめしたい!>
昔の日本人が一生に一度でいいからお伊勢参りをしてみたい、
そのくらいの作品と言って良い。
急ぐ必要はない。
おじさんおばさんになってからでいい、
晩年でこそ良さがわかるかもしれない。
時間の作れた頃でいいから、挑戦してみてはいかがだろう?