STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
F4を舞台としたレースものだが、レースそのものだけでなく、その周辺事情やそこに関わる
人々のキャラクタードラマなどを包括的に描いたような内容。
F1なんかだと派手にお金を使っている印象があるが、F4ともなるとそういうわけには
いかないようで、本作の主人公チームである「小牧モータース」のような零細チームとなると
尚更。
その辺の苦労やスポンサー集めの大変さなどはなかなか興味深かった。
キャラクタードラマの方は二人の主人公とも言うべき浅雛 悠と眞賀 孝哉のエピソードが中心。
悠に関してはレース事故で死んだ父と同じく自身も表彰台に上がろうとするレース繋がりの
バックボーンであるのに対して、孝哉の方は東日本大震災を思わせる震災により、写真が
撮れなくなってしまったというレースとは関係ないもの。
震災を要因にしたことに関して、最初は「ずいぶん重いものを持ってきたなあ」と
思ったりもしたが、直接被害にあったり、知人に被災者がいなくても、あの時代を過ごした
人なら当時の雰囲気や空気感は分かっているはずで、大なり小なり孝哉の感じたことは理解
できるのでは?。
作中で孝哉がバッシングされたように、このエピソード自体「不謹慎だ」と言う人が
いそうな気もするが、あの当時の辛さ苦しさ、そしてそこからの再起を孝哉という人物を通して
描こうとしたことは、個人的には好意的に捉えている。
キャラクタードラマに時間を掛けた分、逆にレース自体の描写は思いの外少なく、勝敗を
競うスポーツものとしての印象は希薄。
総じてシリアスなドラマとしての見応えはあったが、反面エンターテイメント性は弱くなって
しまった感じ。
全体的に男性キャラ中心という感じで、恋愛要素なども特になく、そういう点では華やかさは
あまりなかった感じ。
孝哉に関しては元妻の雪平 冴子が関わってくるが、特によりを戻すようなこともなく、
友人同士といった感じで、一方の悠はレースしか見えていないような。
この辺は悠と孝哉の友情?に重きを置くために散漫になるような要素は排除していったのかな。
蜜澤 亜梨子が唯一のヒロインキャラといった感じで、彼女自身の気持ちはベルソリーゾの
春永 早月に向いていたりしたが、基本いじられ役だったり、早月の再起を助ける存在
だったりで終わってしまった。
2024/02/25