ヨナ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
何度観ても理解不能。だけど何度も観返したくなる!
★物語
理解不能なのに物語の評価が満点というのもおかしな話ですが、その理解できない部分を理解したくて何度も観たくなる、あるいは観返させるというのは、実は最も重要な魅力なのではないでしょうか。
★作画
雰囲気に合った独特の作画で、綺麗だったり気持ち悪かったり、あるいはその両方だったり、とにかく引き込まれる感じが評価に値します。
★声優
キャスティングの妙と言いますか、大西のような比較的まともなキャラを担当されている方は声優っぽい、割と普通の演技なのですが、櫟士や伽丿のようなどう考えても正気じゃないキャラを担当されている方は、逆に演技しすぎない、素に近い声になっているように感じます。大衆性の高いアニメ作品に慣れている、あるいはそちらを好む場合は演技に違和感があるのかもしれませんが、個人的にはだからこそ際立つ“感情の剥き出し感”があるように思います。特にシンジの「なんか違うだろぉ!!」は震えました。
★音楽
劇中の曲は物語に則した重苦しさで可もなく不可もなく。しかし、衝撃的な本編が終わった後、放心状態であの綺麗なEDに入るのは毎回とても心地良いです。
★キャラ
ディストピア的な箱に相応しく、キャラも常識的な人は少ないです。キャラの魅力も“かっこいい”とか“かわいい”ではなく、むしろ“その人間性にこちらが何を思うか”ということだと思います。なまじ秩序の中で生きている僕は、やはり最初は大西の生き様に共感を覚えていましたが、何度も観返す内に吉井や櫟士の行動原理も何となく分かるようになり、地上は本当に幸せな場所なのだろうか、と感じるようになりました。
★まとめ
一説によると、とある事情で話数が削減され、後半はかなりの駆け足になってしまっているらしいのですが、元から理解不能だから初見では全く気にならないでしょうし、逆に2週目以降なら駆け足になっている部分がどういうものなのかちゃんと分かると思いますから、これも個人的には大した問題だとは思っていません。
僕から言えることとしては、あの最後を“救いが無い”とだけ感じるようでは甘いです。