Shino さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これこそ文字通り「日常アニメ」
はっきり言ってしまうと物語性は薄い。
特に(他のアニメと比べて)事件という事件も起きないまま、中学生たちの日常風景が描かれる。
それもそのはず、原作を読めばわかるが原作からしてストーリーより1つ1つのキャラクターの絵にこだわった作品である。
パラパラ漫画にできそうなくらい少しポーズの変わった絵を何枚も並べるシーンが多いくらいポージングにこだわっている。
(たとえば今回まだ映像化されていない原作の話になるが…{netabare}夏休みに朝起きて景色のいい場所でラジオ体操をして「今日は何しようかな!」だけで1話が終わったりする{/netabare})
それが忠実にアニメ化された結果、ぼーっと何も考えずに観れる文字通り「観るアニメ、日常アニメ」になった。
そんな作品だから普通にアニメ化していたら何も残せなかっただろう。
この作品は第1話を見るだけですぐわかるがとてつもなく作画に力が入っており、
些細な少女の動きや綺麗な背景などが高水準のアニメーションで再現されている。
「綺麗」「すごい」という感想が尽きないアニメだ。
とはいえ、万人に勧められるかというとそうでもない。
これは原作からなのだがかなりのフェチ作品の面があり、
リアルな雰囲気から度々放たれるセクシャルな描写(じっくり描かれる少女の着替え、同性に対してキスをしかねない接近、また頬を染めて赤面するなど)は好き嫌いあるだろう。
また、原作に近づけたせいか主人公を含め一部のキャラの垂れ目が独特であり、これも見ていて苦手な人は出るかもしれない。
こればっかりは第1話を見て個人で判断するしかない。
幸い、第1話でこの作品の魅力は詰まっているので評価しやすいだろう。
日常に疲れているアニメ好きの方は是非気楽な気持ちで視聴してほしい。
なおこれは原作のネタバレになってしまうが、
{netabare}今回冒頭で物語性が薄いと書いたがこれは今作がキャラクターたちが関係を築いていく序盤のみだからでもあり、
もし続編が作られた場合、続くエピソードはそれぞれの登場人物の過去に踏み込む話が多く、
中にはいじめ問題や命の話などとても重い話もあるのでまた評価が変わってくるだろうと思う。{/netabare}