xwTza00790 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
セクシー田中さん問題からの視聴
アマゾンプライムでの配信、セクシー田中さん問題、世間では押井守監督と高橋留美子氏の関係が好意的ではなかったこと、うる星やつらの漫画を読破したこと、さまざまな要因が重なり、この作品を視聴することに至りました。
高橋留美子氏は、『これは自分とはあまり関係ない、監督の作品ですね』という発言をしているとのことで、なぜそのような発言をしたのか興味が湧きました。
争いの有無は置いておいて、その発言の理由を知りたくて作品を視聴しました。作品は原作にはない物語で、夢の中の出来事であり、夢から覚めても今いる場所が夢かもしれないという内容。
時代背景を考慮すると、前提が夢であれば自由度は高いと思われます。フランケンシュタインの映画やホラー映画が話題になっていたり、タイムリープが描かれたり、不気味なチンドン屋が登場するなど、流行やトレンドを取り入れることは、監督としての押井氏のやりたいこと、意図だったのでしょう。
全体的に暗い雰囲気が不評だと感じました。
原作にはそこまで暗いシーンはなかったはずです。うる星やつらのイメージは明るくてユーモラスなものであり、それとは異なる印象を受けます。
最大の問題はキャラクターであり、特に主人公のあたるとヒロインのラムの関係性です。ラムがしのぶのようなセリフを口にする場面があります。漫画にはしのぶと着ぐるみウサギ(いなば)のエピソードがあり、原作ではしのぶが「今のまま みんなが かわらないと いいな…」と発言していますが、劇場版ではラムが類似の発言をしています。また、あたるがラムのことを好きだと明言する場面もあります。
ネット上のコメントでよくある、そのキャラは「そんなことは言わない」これが最大の問題だったのではないかと感じました。
結果として、うる星やつらは4年半続き、武道館でのお祭りも成功を収め、全体的には大成功と言えます。そして、留美子氏の作品である『らんま』や『犬夜叉』へとつながっていきますが、今回オリジナル作品ということもあり、個人的にもこのビューティフル・ドリーマーは異なる作品であると言えるかもしれません。
現代の視聴者にとってはハードルが高い作品でしょう。なぜなら、アニメ表現(音も含む)に中傷的な要素が多く、退屈に感じる可能性が高いからです。ただ、見方を変えれば、面白い作品として見ることもできるかもしれないなと感じ、レビューしてみたということです。
押井監督が述べたように、喜ばれたのはうる星やつらの初期作品だったようで、この作品に関してはそうでもなかったとのことです。
その「そうでもなかった」部分が、この作品の問題点なのかもしれません。