テングタケ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
高い完成度で丁寧に作られています
荒木先生の才能がまだまだ満ち溢れている頃の作品なので、作品の出来は申し分ないです。スタッフの作品愛も十分に感じられる丁寧なアニメ化でした。
原作ではちょっとイミフだった「船は二隻あった!」とか、アバッキオを単身でリプレイさせていたところなど、きちんとフォローしていました。また、ナランチャが死んだときにフーゴがちらっと映るシーンなど、とてもいい感じでした。キャラの掘り下げシーンも分かり易いところに配置されていたり、敵チームのオリジナルシーンも増えていて、より完成度を高めています。ただ、下ネタに関するシーンは丁寧に取り除かれていて、下品な下ネタも荒木先生の味だと思うので、そこは少し残念な感じです。
ギャング同士の抗争の話なので、今までのように「再起不能」でお茶を濁すのではなく、どんどん殺していくハードさが本作の最大の特徴です(ズッケエロやサーレはどうなったのかな?)。スタンドバトルもグレイトフルデッド戦やメタリカ戦など、ジョジョ全編を通してもベストバウトの一つではないでしょうか。そしてなにより、「今にも落ちてきそうな空の下で」はジョジョの中で最も泣けるシーンです。アニメ化もバッチリ決まっていました。原作ではあっさり目だったナランチャの死も、エアロスミスが鳥になって飛んでいくいいシーンが追加されていて、とてもエモい場面になっていました。
キャラの声はどれも皆合っていたんですが、特筆すべきはブチャラティで、有名声優さんのイケボがバッチリ120%ブチャラティのイメージ通りでした。
それで、もうサイコー!と言いたいところですが、残念なのはチャリオッツレクイエム発動後のグダグダな展開。ここでとうとう荒木先生のアイディアも枯渇したんだろうなあ。別の生物に変わっていく展開は全く無意味だったし、頭の後ろの「何か」を破壊するのも全く意味不明。GERの能力も意味分からないし、ラスボスとの決着も盛り上がりませんでした。そこが、ラスボス戦が最高に盛り上がった2部、3部、4部との決定的な違いです。最終話のローリングストーンは締めとしていい感じの余韻が残りました。
というわけで、終盤の展開さえ納得のいくものだったら間違いなくジョジョ最高傑作になったと思いますが、現状はちょっと残念な感じです。