ナノトリノ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
あおいひとみのエリーゼ
キャラデザが特徴的だなと思いました。
とはいえ斬新だとか最先端だとかいったものではなくむしろ逆でちょっと懐かしい雰囲気の、何のデータも裏付けもなくテキトーな事言うのなら90年代の少女マンガぽい印象。
絵に描いたような金髪碧眼、その大きな瞳の上部分に入れられた大きなハイライト。これこそがキモなのかなと考えます。
瞳に対する面積比で目測30%、感覚としては半分にまで達するかのような巨大なハイライトは、かつてのマンガやアニメでは珍しくないものでした。これが瞳の「上部」に入ることにより、まっすぐで明るい若さ幼さを醸し出してくれます。ひとことでいえばパッチリ。現代的な視点ではちょっとクラシカル。
対して近年の瞳の描写は複雑化していて差し色やら光やらが何重にも組み合わされ情報量がものすごく多い。エリーゼのように上部に大きなハイライトを入れることは稀で、大きな光を入れるならむしろ瞳の下部に弱めに入れてそれを積層することで立体感透明感を表現することが多い気がします。ハイライトは総じて小さめで、同時に何か所にも入ります。ひとことでまとめるならキラキラ☆
実はエリーゼの大きなハイライトもよく見ると強い光の白一色ではなく、少し弱めの白で下が透けて見えます。さらに瞳の下部に幾重にも薄い青が重ねられ、最後に小さな白い光がいくつも散りばめられています。要はパッと見懐かしい感じなんだけど、構造的にはいたって現代的なハイブリッドなのです。パッチリでキラキラ。カワイイ。
加えてこの大きなハイライトを持つキャラは作中でエリーゼただ一人です。ライバル?のユリエン嬢は独特な鋭角の小さなハイライトでエキゾティックな雰囲気ですし、年若い侍女のマリのハイライトはエリーゼの半分程度の大きさでグッと地味な印象です。2周目の転生体である高本葵も瞳の上部にハイライトを持ってはいるもののその大きさはエリーゼよりかなり小さめで大人っぽく見えます。それは1周目の悪役令嬢だったエリーゼ本人さえも同様です。
つまりこの物語作中においてもエリーゼ(3周目)は異質なのです。
ひと目見ただけでわかる明らかな主人公オーラを発するひときわ大きな瞳。瞳の中にきらめく極めて大きなハイライトからあふれ出す前向きで一本気な明るさ。さらにOPやEDの曲調にも通ずる「どことなく現代的ではない何か」を感じさせるこのキャラデザは、二重転生の果てに“現代”に立つ特異な存在である彼女を実にうまく表していると思います。まさに目は口ほどに物を言う、なのです。