蒼い✨️ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
劇場版の未来篇までで一つの物語かな?
【概要】
アニメーション制作:京都アニメーション
2013年10月3日 - 12月20日に放映された前日譚の第0話+全12話のTVアニメ。
原作は、著者・鳥居なごむとイラスト・鴨居知世による、
KAエスマ文庫から刊行されていたライトノベル。
監督は、石立太一。
【あらすじ】
長月市立高等学校に通う男子高校生の神原秋人(あきひと)は、
父親が妖夢で母親が妖夢討伐を生業とした異界士である人間とのハーフの半妖。
普段は異常に強い生命力と再生能力を持つ以外は普通の人間と変わらずに、
人間の少年として生活している。それが過剰にダメージを受けて消耗すると、
人間としての自我を失い、妖夢の本能のままに周りのもの全てを破壊してしまう、
その凶暴さで異界士数人がかりでも命がけでも抑えるのが困難な危険な存在であり、
暴走をしないように地元の異界士の名家である名瀬家の監視下に置かれている。
人間のときはメガネ美少女好きを自他ともに認める存在である秋人は、
ある日の夕方に校舎の屋上から飛び降りそうに見えた小柄な少女を見かけて、
急いで屋上にかけつけて呼びかけて止めようとする。
だがそれは罠であり、偏った熱弁の説得に対しての『不愉快です…!』の反応とともに、
メガネ美少女の栗山未来に血でできた剣で腹を貫かれる秋人。
激痛に苦しむ秋人であるが、不死身特性のために生命に別状はなかった。
その後も秋人を襲い続ける未来であったが、秋人を倒せない日々が続いたために、
収入を得ることが出来ずに生活が困窮して空腹に苦しんでしまう。
そして、それを見かねた秋人と未来の間にも情が出来てしまうのだった。
【感想】
鳥居なごむさんの原作小説は読んだことありません。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの監督であり、
現在は京アニのアニメーターを育成する講師を中心に活動している、石立太一さんの初監督作品。
ヴァイオレットやフリーレンの音楽担当のEvan Callさんと組んで、
CD付き絵本を京アニから出版したりで、石立さんは今も創作活動を続けられているようです。
0話を先に見て、あれ?ハズレかな?と思いつつ、1話から立て続けに続きを見てみても、
妹萌えなどの属性ネタがてんこ盛りでオタクってこういうの好きでしょ?
もしくはセクハラじみたギャグのノリが自分に合わずに、
作中で視聴者より先にキャラに散々突っ込ませてますが、
特に、秋人の若作りのお母さんがネタ的にもキャラ的にもかなり恥ずかしかったです。
にも関わらずに映像は凝っていて良いので、変なギャグ&中二病バトルものに、
京アニの無駄遣い的なものであるとの感想を持ちながら観ていました。
毒舌美少女の名瀬美月からシスコン兄貴の名瀬博臣ともども、
メガネ美少女フェチの変態として罵られる秋人がお約束といったような人間関係に、
西尾維新的な側面があったりで、京アニのアニメ作品としては毛色が変わっていて、
当時の若者向けな好みな流行りに乗っかろう?みたいな意図で作られたアニメとして、
視聴を進めてみました。脚本が暴走してアイドルアニメみたいに歌って踊る第6話を筆頭に、
確かにこのアニメはふざけてはいるのですが、設定とか話の根っことかはシリアスであり、
心に闇と傷を持っているキャラたちが敢えて明るく冗談めかした会話をしながら、
直向きに生きていこうとする、そんな話かな?とも感想が変わってきました。
後ろになるほど秋人と未来の心を中心として物語はシリアスになるのですが、
オチにご都合主義で何故こうなったのか?よくわからない部分があったりで、
どことなく雰囲気だけで話が進んでるなという印象。
キャラデザに、キャラクターの表情やバトルアクションや背景美術などのアニメーションの質に、
京アニ作品ではおなじみの立体的なカメラワークや被写界深度を利用した画作り、
そして演出や劇伴などは総じてレベルが高いです。いつもの京アニには無い構図も使われています。
シナリオの重箱の隅を突けば色々あるとは思いますが、
単純にセカイ系+ボーイ・ミーツ・ガールのジャンルのアニメとして、
秋人や未来らの熱演や表情に着目して細かいことはあまり気にしないほうがいいのかな?と。
そうすれば、それなりには満足度のある作品でした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。