STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
ヒューマノイドが存在する社会を描いた近未来SFで、こういった人工物である知的存在の
人権や社会問題を扱った作品は個人的には好きだったりするので、こういう作品の登場は嬉しい
ところ。
そもそも以前に比べてファンタジー作品が増えたのに対して、SF作品は減っている感が
あるので、SF作品は貴重な感がある。
この手の作品は人間と人工知的存在の二極化で描かれることが多い中、本作での人工知的
存在はヒューマノイドとロボットとがあるところが面白い。
ヒューマノイドは人権を得ており、社会的位置付けは人間とは変わらないのに対して、
ロボットは「モノ」と扱われているが、ロボットが労働力として製造されているのに対して、
ヒューマノイドはどういう理由で作られたのかは不明瞭なままで、この辺はちょっと興味が
あるところ。
例えば数が減少しつつある人間を補うためとか?
この手の作品は以前は完全なフィクション作品という感覚で接していたが、最近のAIの進歩を
考えると絵空事とは思えず、近い将来のシミュレーション的感覚で捉えてしまう。
扱われているテーマは様々だが、中にはヒューマノイドでなくても成立してしまう話も
あったりする。
この辺は人間で描くとストレート過ぎるような内容をヒューマノイドに置き換えることで
回避する風刺ものによくある手法を使っているように思える。
基本1話完結のオムニバスドラマ形式で構成されており、結末に関しては明確な回答を
出すことなくテーマの提議で終わっているようなエピソードも多いが、テーマ性の強い作品に
関してはこういう締めは結構好きだったりする。
オムニバスドラマだけでなく、主人公である須堂 光と彼の母に関わる作品全体を貫く
ストーリーもあるが、こちらは中途で終わってしまって、いささか残念なところ。
2024/02/05