take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
白ゾンnote vs 黒ゾンnote。
ゾンビディザスター映画には意外と名作が多いと言われたりします。
もちろん、膨大な量のそうではない作品がある事が前提なのですがw。
私自身も映画は好きな方なのですが、ゾンビ映画はあまり得意ではなかったりします。
ですが、出来るだけ客観的に振り返ってみて、確かに「面白い!」と思う作品があり、心の中に妙な爽快感だったり、元気が出たり、人間の根源的な悪意や善意、生きる力強さなんかを感じられる作品があります。
なんですかね、極限状況の中で、人間のいろいろな面が観れるからかもしれませんね。
「バイオハザード」シリーズなんかは、
まぁ、知名度含めてカウントしてもいいかもしれませんね。
「ワールド・ウォーZ」なんかも、まぁ、面白かったかなぁ。
「新感染ファイナル・エクスプレス」なんかも最近ではよく出来ていたかも。
「カメラを止めるな!」あたりは話題性という意味ではカウントしてもいいかも。
いわゆる、古典的ゾンビ映画はあまり、刺さってはいないですかねぇ。
ああ、話がそれてしまいましたが、これらの作品の中でも「ゾンビ」との戦い以外の要素が多く含まれていたと思います。
そういった意味では、今作品も、いろいろとメッセージ性の多い作品だったと感じました。
もちろん、そんな説教臭いところに注目せず、パニック作品として見るも良し、VSゾンビ作品として見るも良し、ワーワーキャーキャー言いながらエンタメ作品として見るも良しなのは当然なのですが。
個人的には、いろいろなメッセージが伝わってきて、今作品も名作に成り得るゾンビアニメじゃないかなーと感じています。
さて、物語はざっくりというと、ブラック企業に勤めて、自分を見失っていた主人公が、ゾンビディザスターの発生によって、自身を振り返り、取り戻し、ゾンビになってしまう前にやりたい事100上げて、やっちまおう的なお話です。
このくらいなら、ネタバレにもならないのではないだろうかw。
そんな中で、今社会人として長らく過ごしてきた私自身にも刺さる教訓、エピソードも多数あり、そして、普遍的な真実を何度も叫ぶ主人公:アキラに共感、憧れを感じる人も私はじめ多いのでは?
もっとも「そう簡単にはいかねぇんだよ」とそっと呟いてしまうのも間違いはないのですが。
きっと、勇気が無いんですよねぇ。
「やる」と決めてしまえばそれまでなのですが、そこの決断ができないんですよ、解ります。
私もそうなんです。
そんな中、突っ走り始めた主人公:アキラ、アキラに触発されて行動を共にし始めたケンチョ、彼らとは別の意味で自分を見失っていたシズカ、そして終盤で合流したベアトリクス、みんなやりたい事に向けて走り始めます。
ゾンビパニックとは別ベクトルで、観ていてとっても心地よい。
本来なら、やりたい事やりたいって言って、実際にやってみることについて自分自身が許せば、誰にも文句を言われる筋合いはないんですけどね。
なかなか、そうできないリアル人間に色々なものを投げかけてくれるキャラクター達でした。
そして、最終盤では、アキラと正反対のベクトルでやりたい事ノートを作成したキャラ:ヒグラシが登場します。
ヒール役としては、少し小物感がありましたが、気持ちが全くわからないかと言えば、そうではありませんでした。
ちょっとした躓き、気持ちのもつれ、自身の勇気のなさ、素直になれない心が大きくゆがむきっかけになる事はあると思っています。
ちょっと、どこかの「21世紀少年」を思い出してしまいました。
あの作品も原作は名作でしょうし、実写映画も良く出来ていました。
ああ、また少し話がずれてしまいました。
主人公:アキラの故郷でのお話は、いろいろとオチもついて解決した様ですが、少し物悲しくもありました。
そして、最後は前述の4人は再び「やりたい事」を叶えるために旅立っていきます。
物悲しく解決したヒグラシのエピソードとは対照的に、明るく、元気に。
この感じだと、次はロードムービー的な作りで行くのかな?
と、個人的には続く物語が楽しみに感じました。
アニメでゾンビ系と言うと・・・「ゾンビランドサガ」が思いうかぶのですが、あれはあれで名作wなのでしょうけれども、
それとは異なるベクトルで、それとは異なる明るさと元気さで物語を進めていく良作だと思いました。
このまま、シリーズを進めて、名作ゾンビアニメになって欲しいと思える作品でした。
またの機会、続く作品をを期待しています。
機会がありましたら、皆様もご覧くださいませ。