「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(アニメ映画)」

総合得点
74.2
感想・評価
71
棚に入れた
232
ランキング
928
★★★★★ 4.1 (71)
物語
3.8
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ファンと関係者納得の続編映画。運命案は昨今流行の加護設定を先取りしてたなぁと。

2002年放送から続編を経て20年越しの劇場アニメ。
死したデュランダル議長が提示したディスティニープラン(人は全て遺伝子で役割が決められる理想郷?)の亡霊に、キラとラクスたちが立ち向かう。

【良い点】
正統な続編として完璧な内容。声優陣含めてスタッフに愛されて完成した集大成
ディスティニープラン後の混乱や葛藤や策謀を描きつつ、主要キャラのドラマをしっかり区切り付けた。
TV本編で扱いが悪過ぎた続編主人公シンの汚名挽回というか、見せ場用意しつつキラと良好な関係見せたのも良し。
主要キャラ各々見せ場あり、キャラのファン的に納得の内容。
特に大塚芳忠ボイスが渋いコノエ艦長がカッコ良かった。

二大主題(ナチュラルとコーディネイターの確執、ディスティニープランの是非)のうち、後者を重視したストーリー。
良くも悪くも主要キャラの愛憎劇に集約させるガンダムシードらしい昼ドラ作劇は健在、
身内のドロドロは廃し、分かり易い悪の王子様にラクス姫が…とベタな作劇だがそこが良かった。
これぞシード、こういうのでいいんだよ。
本編と違い味方同士関係が良好なので、本編よりは見やすかった。
またアグネス(またもや桑島法子氏の悪女)の女のエゴで、Zのレコアさん等ガンダムあるあるも完備。
敵側の薄幸女も含めて、これも結構ガンダムの王道としてアリだった。

シンとルナマリアの、中の人夫婦コンビを意識した?掛け合いが非常に良かった。
本作特有の事情としては、知っているファンならば感無量。
それ抜きにしても、ふたりのキャラと関係はとても良かった。

テーマとしてはディスティニープランを愛で否定する分かり易いドラマで清々しい。
目新しくは無いが、これぞガンダムシード。
アスランが心読む敵に恋人カガリのえっち妄想で対抗したシーンが笑えるけれど、
生きてアイナと添い遂げる!やドモンの告白など、愛も結構ガンダムの王道。

作画もさることながら、往年の名曲をアレンジするなど楽曲もかなり良し。

【悪い点】
悪い意味でもひたすらにガンダムシード。
ひたすら主要キャラの愛憎昼ドラに集約させるタイプの作劇なので、主要キャラに思い入れが無いと厳しい。
悪の王子様に攫われた姫を主人公が云々きなベタな作劇は、好みが割れそう。
メインテーマのディスティニープランの是非についても、話が主要キャラの愛で纏まっていて、意地悪く見ると独りよがり感も。

敵がぽっと出であまり掘り下げられず、主人公たちに立ち塞がる都合の良い敵な印象も。
敵王子(王子は比喩)を密かに愛する女性とか、いまいち存在感が無かった。

今更仕方がないけれど、カガリの声優交代。

【総合評価】8~9点
平成ガンダム代表格な機動戦士ガンダムSEEDの正統なる続編映画としては素晴らしかった。
ただ意地悪く言うとガンダムSEEDという作品自体に癖が強く賛否あり、ファン以外に広範な支持は難しそう。
評価は「とても良い」


【余談】昨今の潮流な加護系異世界物
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」(長い)
「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました」
「俺だけレベルアップ」
「マッシュル-MASHLE-」
等々、「人は生まれながらに与えられた才能あり、生き方や立場は全て決められる」系の作品が昨今非常に多い。
大抵はそれはイヤだからイレギュラーで否定したい方向に話が進む。
20年以上前のガンダムシード改めて見てると、視聴者(読者)の願いは変わらないというか、悪化してるなぁと。

投稿 : 2024/02/01
閲覧 : 64
サンキュー:

6

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