bk958 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「言葉はいつも心に足りない、伝わらないもんは伝わらないんだよ」
大陸の北と南で戦争が続く世界。高校生の竹原アキユキは南に属する尖端島に住んでいた。ある日、バスでの通学途中に爆破テロに巻き込まれ、爆破と共に放たれた"ヒルコ"がアキユキの右手に宿り、異形のザムドに変身してしまう・・・。
千と千尋で監督助手を務めた宮地監督と小難しいアニメに定評があるGONZO制作のSFアクション。
エウレカとジブリに似てると話題になった今作。スタッフもそうなので否定できないし、似てるどころじゃねぇってシーンも結構あった。BGMもジブリ臭が凄かったですし。
経験を生かしてるととるか、パクリととるかは自由です。日常の描写なんかは細かいところまで凄く丁寧で、デザインと合わさってかなりジブリっぽさを感じた。いい意味でww生活感漂う風景がリアルでワクワクしました。
他にも風景・背景は印象的な使われ方が多くて、対峙する場面でたびたび出てくる橋だったり、慰霊碑だったり、雨が降ってたりetc・・・心に残る&構図や心情が分かりやすい作りで良かったです。
アクションシーンも完成度が高く、好印象。ただ、それだけを期待すると量的に物足りない。ザムド覚醒だったり、敵ザムド出現みたいなアツい展開でもないので、異能バトルアニメと思ってみるとガッカリするのでご注意を。エンタメ性よりも作品のカラーが重視されてるように感じます。最初は配信だったのにそれはどうなんだと言うのはありますがww
ストーリーは大きく前後半に分かれていて、14話まではアキユキとフルイチとハル、幼馴染三人の成長と関係の変化が中心。導入から一気に展開していき、衝撃の結末もありでかなり楽しめる内容。誰が見ても楽しめそうな王道な展開です。
後半はとあるきっかけで主人公が立ち止まってしまい、群像劇的に登場人物各々がゴールに向かって歩き出す。話もペースダウンし感触がガラリと変わる。世界設定もややこしいだけに把握するのが大変で、難しいと言われるのはここら辺かと。とりあえずサンノオバとヒルケンが絡むとややこしいですよね。
EDまでの流れが非常に分かりづらいので、エウレカ並みに尺を取って、後半丁寧に描かれれば・・・とも思いましたが、主人公鬱パートが無駄に長くなるだけの気がするので良かったんですかねww
ともあれ、キャラクターと世界設定はしっかりしていて、それぞれの視点と意図を追いかけられれば後半も十分に面白い物になっていると思います。情報不足なことも否めないんですけどねww物語でしつこいくらい"考えろ"と言われるのでそういうことなんですかね。すごく不親切ですww
テーマもキーワードを繰り返しホイホイ投げてきます。それこそ話に出てくる笹村のおばあちゃん並みにww届かない手紙はないらしいが視聴者には届いてるんでしょうかね。
個人的にはキャラクターがそれぞれ味があって好きでした。視点がたくさん出てくるので、キャラが気に入るかどうかも重要。もっとじっくり観たかったというのが感想です。
分かりやすさと派手さこそないが、物語に厚みがあるし、キャラクターも魅力的、更にはメッセージ色が強いため世界観にドップリハマりたい方にオススメです(^^)
無駄に長くなってしまったが、内容まで拾ったら1話で1レビュー書けそうですww