てとてと さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ハレグゥ彷彿とさせる?ユニークでハートフルな親子シュールコメディー
長寿なので見た目幼い母と、母より成長してるけど内面幼い娘、取り巻くヘンテコなキャラたちのコメディー。
【良い点】
00年代往年の名作ハレグゥを彷彿とさせるキャラクターやノリや雰囲気が懐かしい。
でこぼこ親子、片方がツッコミ(ハレグゥは子がツッコミ、でこぼこ魔女は逆)、名状しがたい謎生物たち、アクの強いキャラたちが織りなすシュールギャグ連発、時折親子の絆でハートフル等々共通点を感じさせる。
ハレグゥよりも分かり易くファンタジーに寄せていて、マンドラゴラ引っこ抜きとか、守護妖精などより洗練を感じる。
7話Bパートの眠りの妖精回など、結構きちんと西洋ファンタジーを下敷きにキャラとストーリー組んでいる。
OPとEDのノリも何となく古き良き90年代~00年代初頭を思わせる。
シリアスや毒も強かったハレグゥと違い、本作は毒こそあれどシリアス感皆無でより安心して気楽に笑えるのが良い。
娘のビオラ中心に、キャラが無邪気で毒気が薄いため、悪意と無縁。
近い時期だと葬送のフリーレン、劇場アニメだと「さよならの朝に約束の花をかざろう」的な定番のシリアス展開もありそうでいてほぼ省いた。
それでいて、親子や家族の絆や関係性に関する本質を突きつつ、優しい視点も要所で垣間見せるバランス感覚良し。
主要キャラもゲストも個性的かつ勢いあり、キャラの存在感だけで十分楽しませる。
マスコットと思いきや老賢者めいたフェニちゃんのキャラが良し、声がカイザーフェニックスの大魔王バーン様なのがツボ。
不滅の存在で良きおじいちゃん。
どの話も安定して面白いが特に6話が白眉。アニオリの模様。
両親亡くし館にひとり取り残された女性を、ずっと見守ってきた妖精(女性には見えない)が女性の幸せを願うハートフルな話…を、妖精が尻で名前が「ヒップ」と「ケッツ」で尻ギャグ連発したり、女性の財産狙いと思われたチャラ男がめっちゃ善良でやさしい世界だったりとシリアスとギャグとハートフルのバランスが神掛かっていた。
この6話は2023秋アニメで見てもベストエピソード。
声優ネタとしてヒュンケルとバーン様共演もツボ、ケッツは尻なのに喋り方はヒュンケルそのものなイケボで笑える。
【悪い点】
悪い点とは思わないが、好みが割れそうな作風。
悪い点ではないが、1クールしかないため、名作級に至るにはボリュームが足りない。
【総合評価】8~9点
ハレグゥをファンタジー路線に寄せて辛気臭いシリアスは抜いた感じ、自分的にこちらの方がより好感持てる。
2023秋ベストアニメの一つだった。
評価は最高には至らないが「とても良い」
何となく2022春の「このヒーラーめんどくさい」とタイプが近い気が。
広範な支持は得られなかったマイナーアニメだけど、自分含めた一部は非常に高評価だった。
あと、アイキャッチがトランスフォーマーなのもツボ。