えりりん908 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
忘れてた分だけ、楽しめます。
この劇場版映画、
随分たくさん、TVCM出稿していますね。
アニメ好きなら誰でも知っている物語シリーズ。
その出発点となった主人公=阿良々木暦が高校3年を迎える春休みに、
怪異の王=キスショット・アセロラオニオン・ハートアンダーブレードと遭遇し、
そのために始まった猟奇事件をめぐる物語です。
公開3日目の日曜のお昼に、劇場鑑賞。
3日目の休日だけど、お客様は、一人の方がパラパラと、二人連れが2組。
リブート作品だし、マニアックなのもあるかもだし、
こんなものなんでしょうね・・・
私も、何で今さら?とか思うところはあったけど、
いい感じにお話を忘れていて、その分だけ楽しめました。
何よりも、シャフトの美彩な作画を大スクリーンで堪能できる、
というのはとても魅力的でした。
ただ、
傷物語3部作がひとつになっていてお得。
というのはあるけど、
正直、みっつをひとつにまとめちゃうと、
吸血鬼退治専門家3人と阿良々木君との個人戦3連戦は、
ちょっと冗長に過ぎて、140分オーバーの上映時間は、
けっこう地味に効いてきますねw
このあたりは、
のちの、阿良々木君とキスショットの殺戮戦の端緒になる、
ギロチンカッターとの戦いにもっと絞ってもよかったのかもと思いました。
ただそうしてしまうと、
物語シリーズ全体のヒロインである、
羽川翼ちゃんの壮麗で残虐な被傷シーンが宙に浮いちゃうので、
難しい選択だったのかも知れません。
そう、今回このリブート作品を鑑賞して、
あらためて、物語シリーズのメインヒロインは翼ちゃんなのだと、
それは実感しました。
(やはりガハラさんは、阿良々木君ひとりのヒロインなのです。)
キスショットは500年の長き人生に疲れて、
すでに一度は死を望んでいたのに、
瀕死に至ってやはり、
おのれの消滅に恐怖し、命乞いをした自分をかえりみたのでしょう。
阿良々木君の、人として異常な生き様に当てられて、
彼に自分の命を預けて、
今度はしっかり死んでしまおうと覚悟を決めて、
阿良々木君と戦うことになるのが、
やはり美麗な作画のために、とても「いい!」です。
そして、「誰も幸せになれない」解決策を
忍野メメさんに提示されて、ここから始まる、
長い長い、1年とちょっとの物語。
鑑賞して、あらためて思ったのは、
化物語をスタートに、一連の物語シリーズをみた上で、
ここに立ち戻るのが、
いちばんいい鑑賞方法なのだろうな。
そうしないと、
羽川翼ちゃんのキャラクターにも共感できないし、
キスショットと阿良々木の魅力にも気づけないし、
忍野メメの生き様にも納得できないだろうな。
なんてことをぼんやり考えてしまうのでした。