てらし さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
確実な前進
04
本番に向けての夏期訓練が実施され、その後12月から休学して南極に行く予定
しかし親にまったく報告してなかったらしいキマリ
そりゃあ親御さんもブチギレでしょう…
報瀬は相変わらず冷たい視線と嘲笑が投げ付けられ
キマリはめぐみからは祝福どころか微妙な塩対応
バイト、赤点回避のテス勉、夏期訓練と試練は山積みだけど、キマリ達にとっては学園祭の前日状態
副隊長から中止は絶対に無いと断言される位置まで進んだ今、彼女等が止まる理由はもうありません
むしろ結束がより固まるってもんです
こういう時、同じ道を歩める同士が1人でもいるというのは本当に心強いでしょう
夏期訓練が始まり、テンションが上がる3人とは対照的に無口になっていく報瀬
藤堂隊長とは共通の大切な人を失くした者同士の複雑な想いがありそうで、モヤモヤはしてるけどどう接していいか分からないんじゃないでしょうか
2人で会話とかほとんどしたこと無さそうだしね
キマリの主人公パワーでも2人の間に入ってお互いの持つ印象を聞き出すのが精一杯の距離感
しかし母、貴子さんの当時を一番知ってそうなのは藤堂隊長なので、この2人の関係性が中盤以降のメインになっていきそう
結局全てを知る為には南極に行くしかない
まだまだ答えは出ないだろうけど、南極に行った後2人の間にはどういう変化があるでしょうか
ラストは何やら不穏な空気が漂う終わり方
たしかに前から伏線っぽい描写はあったけど
これが南極行き最後の試練になりそう?
03
{netabare}今回も新キャラ追加
現役女子高生の有名タレント、民間の観測隊として南極行きに同行する白石結月
話の展開上かなり都合のいい鴨ネギキャラではありますが、都合のいい立場であるが故の業も背負わされていて、それが彼女の人格形成にも繋がっているのは効率的で巧い設定ではないかと思います
冒頭から3人揃ってドタバタ感が更に加速
この辺は日向が加わったシナジー効果と見るべきか
前回今回でコメディ色が強まった感があるのは結月という外客が加わる前に3人のコミュニティを強化しておきたかったというのがあるかもしれません
そこに結月の孤独感を対比させるという演出的にも必要だったという理由はあるでしょう
南極行のチャンスが舞い込んで突っ走ろうとする報瀬を諌める日向、本当に気が利くいいキャラです
洞察力が高く冷静で的確なツッコミ役が入るだけでこうも違うのかと思いますが、裏を返せばそれだけ神経質で繊細な面を持ち合わせているという見方も
4人の中で日向だけバックボーンが一切描かれていないのも後々の伏線とも取れます
結月の自分語りに思わず抱き締めてしまうキマリ
打算無く相手の気持ちに共感しようとするのはキマリだからこそ出来る主人公ムーヴ
結月的に切っ掛けは何でもよく、ただ友達らしいことがしたかっただけ
クラスメートとのラインなんかよりもっと直接的に
だからこそ彼女の心は動いた
その夜結月の見た夢はまさにストレートな願望
彼女は外から風が吹いてくれるのを待っていたんだろうけど、そんな都合よく吹いてくれるわけもなく、所詮はただの夢
でも彼女の心が外に向いていたからこそホテルの窓は開かれていた
そしたら3人が内側から扉を開けに来てくれたということですね
それにより風の通り道が出来、外から風が入ってくるという演出でキレイに締めています
これで全員揃ったことになりますが、同じ方向を向いたというのはスタートラインに立てたということでしかなく、物語は本当にまだまだこれから
船はまだ停まったままです{/netabare}
02
{netabare}南極観測船乗り込み作戦がいよいよ動き始め、期待に胸膨らませる2人…だけど当然ながらそんな都合のいい話があるわけもなく、現実を知れば知るほどネガティブになる2人
特にキマリは1話で覚悟を決めたとはいえ、現状は報瀬の後を付いて来ているに過ぎず、前しか見てない報瀬と気持ちのズレが生じてしまいます
アバンで描写されたグラスの氷は今から話が動き出すようにも取れるし、自分達の狭い世界から出れずに踠いている様を表しているようにも見えます
そんな中、キマリがバイト先で知り合った新キャラ日向がメンバーに加入
ムードメーカー的な立ち位置でありバランサー、報瀬とは違うベクトルで南極行きに高いモチベーションを持っています
サバサバしてて楽観的でポジティブ、だけど何処かリアリストな性格は若干陰キャで天然な報瀬やおっとり天然キャラなキマリとの相性が良く、特にキマリの南極行きに対する気持ちには少なからず影響を与えたのではないかと思います
彼女が加わることで画面に視点の広がりを与え、テンポにリズムが生まれ、明るさと躍動感をもたらしているように感じました
その後、観測隊員の親睦会を狙う作戦(どうやって場所と日時を知った?)が予想通り失敗し、なぜか歌舞伎町で始まる鬼ごっこ
いつも報瀬の傍を付いていくだけだったキマリが自分から報瀬を追い抜き、自分から違う道を進みます
今回は日向の魅力が存分に発揮された回だけど、キマリが報瀬と日向に並ぶ為の通過儀礼的な意味合いもあったのではないかと思います
結局逃げた3人は元の位置に戻ってしまい釈迦の手の上状態、報瀬の直談判も実を結ばず、子供が浅知恵でワチャワチャやってるだけのレベルで終わったわけですが、今はこれでいいと思います
どのみち正攻法で行くのは不可能だし、無茶な作戦があったから4人目のキャラと接点が出来たわけで
日向が加わったことで話が重くならず、全体的にコミカルな雰囲気でまとまったのが印象的な回でした
3人がそれぞれ抱える物や現状も見えてきました
報瀬の母親や日向の過去に新キャラや観測隊員など、今は色々な伏線が撒かれている状態で、まだまだ始まったばかりという感じです{/netabare}
01
{netabare}1話を見た素直な印象としては「脚」
アニメ作品において脚を見せる場面は決して少なくないし、何ならサービスカットとして積極的に多用されることもあります
本作1話でも脚を映す場面が多く、一見そういう意味合いとして使われているようにも見えます
例えば車は運転手が自由に動かせる移動手段、いわば脚(足)の代わりです
車を通してその人の性格や内面がモロに出てしまうことがあるように、自分の脚なら車以上に感情が駄々漏れてしまうこともあるでしょう
目標がある、何処かを目指すというのは同時にそこに向けて動くという行為が必須となります
本作1話は心の動きを脚で表す作りになっており、同時に肉感的な役割も持たせているように見えました
主人公のキマリはよく脚を曲げています
ベッドでも下駄箱の前でも教室でもベンチでも
脚を曲げるというのは感情表現として心が内に向いていることを表しているのかもしれないですし、逆に言えば立って伸ばしたがっている(何か行動を起こしたい)とも言えるんじゃないでしょうか
雨の日の早朝、学校をサボるキマリは駅まで走っていきますが脚はほとんど映されません
結局電車に乗らずホームで立ち尽くすキマリの脚は雨に濡れ、とても重苦しく描かれています
教室でめぐみにサボらなかった言い訳をするキマリは座って脚をモジモジさせています
動くのを諦め(座って脚を曲げ)ながらも未練が残っている(モジモジ)といったところでしょうか
その後帰りの駅で初めて小淵沢報瀬と出会うキマリ
迷いなく走る報瀬の脚がアップで描写されます
報瀬の後を追って走るキマリは小さく弱く描写されます
小渕沢は自分の意志で進むために走っているのであり、キマリは流されて走っていたんだと思います
その後報瀬と学校で顔を合わせたキマリは報瀬の母が書いた南極の本を見せられます
おそらくはここがキマリにとってのトリガーになったんじゃないでしょうか
自転車置場でイジメ役2人が報瀬の自転車を占拠しますが、これは報瀬の進む道を阻む物であり、キマリは機転でその障害を取り除きます
この時点でキマリの心は動き始めていたんでしょう
これでキマリと報瀬の仲がグッと近付き、心を許すように本音で語り合います
報瀬の南極行きを手伝いたいと言うキマリに対して報瀬は一緒に踏み出そうと二択を突き付けます
翌日報瀬に会いに行くキマリ
決意を固め、元気よく走るキマリの脚がアップで写されます
更にダメ押しで港に停泊する南極観測船まで全力で走る2人の脚のアップ
ここでようやく2人揃ってスタートラインに立ったということなんでしょう
導入としてもよく出来た1話だと感じました
次回以降が楽しみです{/netabare}