タック二階堂 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
非なろう異世界ファンタジーのグルメ系。
詳細は公式でも。
異世界ファンタジーですが、「小説家になろう」発ではなく、KADOKAWA『ハルタ』に連載された九井諒子さんのコミック作品のアニメ化作品です。制作は「キルラキル」「SSSS.グリッドマン」「SSSS.ダイナゼノン」などのTRIGGERです。
とは言え、TRIGGER作品でよくお名前を耳にする吉成氏や今石氏などの監督、脚本の中島かずき氏やキャラデザのすしお氏などの名前はありません。
そのせいか、作品の雰囲気はTRIGGERらしさを感じない初回でした。
そして、本作はなんとテレビ放送に先駆けて、3話までを再構成した劇場版を昨年12月に公開していたという。えっと、それはいくらなんでも無謀では…
OP主題歌にBUMP OF CHICKEN、ED主題歌に緑黄色社会と、なかなかの気合いの入り具合(緑黄色社会も節操ないね。「薬屋のひとりごと」のOPもやってんじゃん。あ、2クール目が変わるのかな?)。
とまあ、そんな感じで前期からの「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」ほどではありませんが、けっこう力の入っている作品です。
でまあ、初回ですが…
面白いことは面白いんですけど、なんていうか出落ち臭がプンプン。まあ、現世からスーパーでお取り寄せして異世界で飯を食う某作品よりは、なんぼかマシではあります。ただ、うん。逆に異世界の魔物などを調理するというコンセプトは、まーったく現実感がないという。美味そうにも感じないという。
なので、初回のスタートとしては可もなく不可もないという評価になります。
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
いやあ、どこまで行っても「でっ?」ていう。どんなに美味そうな料理を作ったとしても、バジリスクとかマンドレイクとか、いねえじゃんリアルに。
なので、飯は置いておいて異世界冒険者として観たら、たいしたバトルがあるわけでもないし、予想外な冒険譚ってわけでもない。そりゃそうですよね、だって「飯」がメインなんだから。
作画のクオリティは高いし、話の作り方も面白いので悪くはないのですが、そこを考えてしまうと何やってんだかという印象は拭えないですね。
なので、2話を観ても可もなく不可もないという評価は変わりません。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
なんていうのかなぁ。このダンジョン探索とメシ日常の食い合わせが非常に悪いというか…
どなたかも指摘されていましたが、妹が食われているのにメシのために探索?ってのは、確かにそのとおりで、今回も腑に落ちないというか胸糞悪い話でした。
オークたちが酒場にやってきて、客や従業員を皆殺し。でも、主人公パーティのセンシと友達であり、取引相手だから助かりました。で、オークの集落で一宿一飯の恩義。最後はレッドドラゴンの居場所と地図をゲットして、手を振ってじゃあね。
や、なにいい話風にまとめてるんですか。
オークに屠られた人々は?
地上で暮らせない、むこうずねに傷がある連中だからいいの?
こういう、なんというかモブをとことん冷淡な扱い。単純に「面白かったー」とはならないんですよ。こういう展開されるとね。
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
{netabare}
ん~…
ここまで観てきても、一向に面白くなってこないんですよね。その要因として自己分析してみても、それがなぜなのか答えが明確にならない。
間違いなく言えるのは、主要キャラになんの思い入れも感じないということ。なんか、全部俯瞰で見てしまう感じなんですよね。おそらく、4人の心情を(ほぼ)等分で描いている感じなので、平たくいえば「どいつが主人公なんだ?」という気持ちなのでしょう。いちおうライオスなのかもしれないけど、そうでもないというかね。
で、ダンジョンを舞台にしたRPG的なアドベンチャー作品……なのでしょうけど、作者が女性だからなのかな、ヒリヒリするようなハードなものではなく、やはり料理を中心とした日常モノに収まってしまうという。
や、そういうジャンルなんだから、そういう見方をすればいいだろうと言われれば、そのとおりなのですが、そういう人生ではなかったわけで。やっぱり、こういう舞台はゲームで経験してきた「ドラクエ」だったり「FF」だったり「Wizardry」だったりするので、そういうバトルの面白さも欲しいんですよね。
開幕前は「フリーレン」「薬屋」を脅かす覇権候補と言われていましたが、まったくそんなことはなかったね。
{/netabare}
=====第17話視聴後、追記です。
{netabare}
本作になんとなく感じていた違和感というか、嫌悪感?の理由を、キャラがはっきりと明言してくれました。
キメラ化して襲ってきたファリン。その場に居合わせた烏合の衆が攻撃しますが、逆に返り討ちに遭ってバタバタと死んでいきます。そんな状況でも攻撃をしないライオス。それに対して「あんたの仲間を助けるためなら、周りの人間が犠牲になってもいいってのかよ(要約)」。
それ。
なんていうか、ライオス自体が非常にサイコパスな人間だというのは意図して描かれてきたわけですが、それだけじゃない。妹のためなら、周囲の人が犠牲になるのも…いや、周囲の人を犠牲にしてでも救いたいという身勝手さ。黒魔術で蘇生させたのも、ある意味ではそうですよね。
そういうところに嫌悪感があったのを、作品の中で提示してくれたことで、なるほどこれすらも意図して描いていたのかと納得。
まあ、レッドドラゴン戦あたりからググっと面白く感じていたんですが、間違いなく面白い作品だと確信しました。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
序盤こそ、死と隣り合わせのダンジョンでメシづくりという緊張感のなさ、モンスター食というリアリティのなさで唸っておりましたが、ファリンを取り戻すという主テーマに立ち戻ってからの2クール目以降、右肩上がりで面白くなってきました。
メンツもね、イヅツミが加わってから動きが出て、ダンジョン探索の道程が楽しいものになりましたね。
毎回発生するイベントが適度に緊張感も持ちつつ、独特のコミカルさも相まって飽きさせない構成。噛むほどに味の出るスルメのような作品だと思います。
もちろん2期も決定しましたので、俺たちのダンジョン探索&メシづくリはこれからだ! なわけですが、2期を楽しみに待ちたいと思います。
{/netabare}