鸐 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
何年後かには埋もれてしまうかもしれないけど、ふと思い出したときにいいアニメだったと思わせてくれるような柔らかい恋愛映画。
少女漫画原作の恋愛アニメ映画として、「蛍火の社へ」と雰囲気が近いイメージでしょうか。
起承転結の転での緊迫感は強く出さない感じで、「蛍火の社へ」と比較してもさらに柔らかい心穏やかに見ることができる映画でした。
作中で緊張感が高まりすぎないような前振りもしっかりありましたが、さすがにこの後何もないことはないでしょ~と斜めに構えていたこともあってちょっと拍子抜け感はあったかも。とはいえ、ここまで柔らかさに徹したのは新鮮で面白いと思いました。流石は「この漫画はすごい!」の1位を取った漫画原作のアニメです。
細かいキャラ付けや設定は理屈が通っていて安定感がありました。
頭の片隅でうまく行き過ぎという考えが何度かよぎったりもしますが、原作は女性向けの漫画ですし、突っ込むのは野暮というものでしょう。(求めてもいないですし。)
限られた尺とコストで最大限のパフォーマンスを引き出しているの純粋にすごいと思います。
すごいといえば、{netabare}作中で一番印象に残った隠し通路でのやり取りは途中でイマジナリーラインを超えて、恐怖の橋げたから美しい街並みに切り替えていてお見事な演出だと思いました。{/netabare}
丁寧に作られている感じが伝わってきます。