STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
最近とみに増えてきた感のある「悪役令嬢」ものだが、このジャンルの作品の多くは
立場的には悪役という立ち位置にありながら、その人格は悪役ではないため、悪役としての道を
歩まぬように奮闘するところが見どころで、本作も御多分に洩れずといったところ。
主人公のプライド・ロイヤル・アイビーがゲーム「君と一筋の光を」のラスボスとして
転生したため、ゲームと同じ展開を辿らぬようにするところは他作品と同じような感じだが、
他作品における主人公の行動が自身の悲劇的結果を回避するためのものであるのに対して、
本作におけるプライドの行動はゲーム展開での悪逆非道な行動を取らないようにしつつも、
自身の結果はゲームと同じような悲劇で終わると思っているところが興味深い。
そのため主人公の他キャラへの行動が、結果として相手を籠絡していく展開は他作品と
同じだが、多くの作品ではその後の他キャラは主人公を助けるキャラになるのに対して、
本作ではそれだけでなく、将来自身が道を踏み外した際に自分を殺すことをプライド自体が
依頼する点などは結構重い。
そんなプライドの考え方が作品全体の雰囲気を作っているようで、更に他の同系統作品に
較べるとコメディ要素が弱めということもあって、全体的にシリアス色の強い暗めの作品と
いった印象。
プライドに関して、頭脳と言い、戦闘時の強さと言い、かなりハイスペックなものを
持っているが、これが異世界転生時に得たものでもこの世界に存在する特殊能力に
よるものでもなく、ラスボスとしての設定的なチート能力によるものであるところが面白い。
2024/01/04