「進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編(TVアニメ動画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
162
棚に入れた
375
ランキング
407
★★★★★ 4.3 (162)
物語
4.3
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.1
キャラ
4.3

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アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴史的傑作

2013年に始まった進撃の巨人も遂に10年の時を経て堂々の完結。
本当に感慨深い。
深夜アニメで長編物の原作ありきの作品で最後までやった作品になった。
それだけで歴史的な作品になっただろう。


だがそれだけで進撃の凄さは終わらない。
それは寡聞にして存じないレベルの白雪の如く散りばめられた伏線の数々。
流石に一つ一つ書いていたら切りが無いので多くは割愛する。

最初の「いってらっしゃい エレン」は最後の「いってらっしゃい エレン」と完全にリンクしている。
またエレンが埋葬された大樹の木には十字傷が
十字=キリスト教での墓を表していた(漫画版)ことからも
最初から最後までの結末は諫山創先生の中で決まっていたのだろう。

最初って言うと2009年連載開始~2021年連載終了ってことは12年も前からしっかりと構想を練っていたに他ならない。
またラストの「エレン マフラーを巻いてくれてありがとう」の台詞の場面では、鳥がマフラーを巻いている。
私も視聴時は何となくエレンが鳥になって巻きに来てくれたのだろうか?と思った程度だったが
後になって色々調べたら、トウゾクカモメ pomarine jaegerのJaeger部分がイェーガーと読むらしい。
何なら鳥は作品のあらゆる場面で描かれていたが
あれはトウゾクカモメ=エレンであり、道を通して会いに来ていたらしい。
※一話時、ファイナルシーズンのファルコ初登場時、アルミンが船の上でアニと会話していた時など。

また『その日 人類は思い出した ヤツらに支配されていた恐怖を… 鳥籠の中に囚われていた屈辱を……』という部分で
エレンが最後に自由となり鳥としてミカサに会いに来たことで、最初の伏線をも綺麗に回収しているのだ。
伏線が他の追随を許さないレベルだとヒシヒシと感じさせてくる。

こんな一つで多重の意味を持つ伏線を貼って、それを一部の漏れも無く回収した作品が果たしてあっただろうか?


ここまで伏線に焦点を当てて書いて来たが、物語も秀逸であり
エレンが道で「オレのことは忘れて 自由になってくれ…」と伝えるが
ミカサが自分の最も大切であり最愛のエレンを「ごめん できない」とマフラーをより一層強く巻き
頸を撥ねたシーンは悲しみを目に湛えずにいられなかった。

一般的感覚を持つ人ならわかるが、ミカサのマフラーはエレンが助けた時に巻いてあげた物であり
ミカサにとっては愛すべきエレンとの初めて出会いの思い出の品でもある。
よってマフラーをより一層強く巻いたことで
〝エレンのことは絶対忘れない〟という決意を表している。

更にこれらにWIT STUDIO並みの圧倒的作画が合わさり、上記に書いた感動のフィナーレへ。
エレンの死後も彼を愛し続け、木の根元で待ち続けるミカサ。
観ていてここまで共感し、辛い気持ちになった作品があっただろうか?
ちなみに墓石には反対にするとカタカナで『サイアイノ アナタ ココデトワノ イネムリニツク』と書かれているそうだ。


長々と書いたが思想作としても、エンタメとしても歴史に名を残す傑作であろう。
10年間の青春をありがとうございました。

投稿 : 2024/01/02
閲覧 : 76
サンキュー:

5

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