セシウス さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
日本人はなぜフランス人キャラを金髪にしたがるのだろうか
原作漫画は未読です。
幼馴染の訃報を聞いて故郷の離島へ帰省した主人公が、島に隠された超常現象の謎を解き明かし戦うお話です。前半は、ひぐらし+Re:ゼロって感じで後半はド派手なサイキックバトルが展開されます。それぞれ緊張感があって楽しめますが、割と早い段階から敵サイドのヒロインが味方について種明かしをしてくれるので謎解き要素は早々に消滅します。また、ヒロインはチート級の戦闘能力を持っており、他にもチート能力を持ったキャラが複数味方に付くのでバトルの緊張感も減衰します。退屈までは行きませんが、ひぐらしやRe:ゼロの緊迫感や絶望感、それを乗り越えた時のカタルシスはさほどありませんでした。
主人公は物事を俯瞰することが好きだという割には物の見方が客観的でなく冷静さに欠けており、口だけ番長みたいなキャラになっていて今一つ好きになれませんでした。そもそも第三者視点で物事を捉える性格は、どこか他人事で感情の起伏に乏しく物語の主人公にはあまり向かないと思います。そういう意味でこの主人公は主人公ぽいと言えるとも思います。
ヒロインは姉妹で、金髪ヒロインの姉とナディアみたいな褐色サブヒロインの妹が登場し主人公をサポートしますが、どちらも非常に可愛いキャラクターデザインになっています。ただ性格はテンプレでカワイイ以外の印象は残りません。その他の登場キャラもテンプレばかりですが、唯一主人公の相棒ポジの熱血少年に妹がいて、この妹キャラが非常に複雑な性格になっていて声優さんの好演もあって飛びぬけて印象的なキャラとなっていました。
作画・音楽はよかったです。キャラクターは常に綺麗に描かれていたと思いますし、アクションシーンの動画も迫力がありました。背景も島の豊かな自然やレトロ感あふれる街並みが美麗に描かれていました。音楽はOP/EDとも印象的な曲になっていて、シーンに流れる曲は逆に控えめで思考の邪魔をしないようになっていてバランスが良かったと思います。
声優さんたちは皆上手でしたが、キャラクターが感情的になるシーンがわざとらしく感じるところがいくつかあって、脚本がイマイチだったのだと思います。和歌山の方言はわかりませんが、三重県出身の友達がいてなんか似たしゃべり方をしていたのを思い出しました。
2クールかけてしっかり作られた作品ですが、色々なところで詰めが甘いというか突き抜けた点がなくて、もう一度見返そうという気が起きるほどではありませんでした。常にスク水姿で主人公の側にいてくれるメインヒロインの可愛さが一番印象的な作品でした。