えりりん908 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
日々是祀日
長寿で引きこもりでオタクなエルフが、
400年前に異世界から召喚されて、
神様として祀られて来た、
東京・月島での、
15代目の巫女を務める女子高生と過ごす、
賑やかで穏やかな日々をつづる、日常コメディです。
楽しく鑑賞できたし、オタクなエルフ=エルダが、
600年以上生きているのに甘えん坊だったりズボラ過ぎたりw
そのエルダを御祭神として祀り、神社の巫女をつとめている小糸が、
集中力不足で勉強苦手だったりオシャレや大人レディに憧れてるのに、
成長遅くて悩んだり彼女には不釣り合いなブランドバッグ買っちゃったり、
いろいろ残念なのがこれもまた可笑しくてw
そう言えば、きらら作品ではないのに、
登場人物が敢えてほとんど女性に限られているのって、
いわゆる「ジェネリックきらら」なのでしょうか?
この作品の場合は、色恋沙汰が持ち込まれない効果生んでて、
こういう構成なら観やすいし、「あり」だと思っています。
お話の中の日常は、神事を巡るドタバタ事情や
ちょっと「うるっ」と来るいい話とか、
エルダのオタクネタのお笑い展開とか、
大坂からのエルフや金沢からのエルフとの東京での、
エルフ同士は「久し振り~」、
巫女同士は「初めまして~」というエピソードだったり。
このエルフたちが、みんな揃って、江戸幕府開府少し前の頃の、
戦国時代末期に異世界から召喚されているというのが、
放送されていた時には気にもかけなかったのですが、
大坂のエルフは「秀吉くん」に召喚されているのだから、
当然ながら関ケ原の戦いや大坂夏の陣・冬の陣がそのあとにある訳で。
今になって、
エルフが人類と比較すると異常に長命であることや、
戦国時代の頃の日本人からすれば、金髪のエルフは異様な容姿だし、
テレパシーみたいな怪しい術が使えることなど、
「神様」として崇め奉られるのは、何かわかります。
そして、だからこそ、
戦国時代の末期に、陰陽師か何かのチカラで、
大挙してエルフが召喚されたのかも知れない。
生き残っている3人のエルフ以外にも、
たくさんのエルフが召喚され、
長寿といっても攻撃されて深手を負えば死ぬだろうし、
実際、敵大名や軍師からすれば、
敵陣で神と崇められるエルフの存在は、
大将首と同等かそれよりも重要な象徴かも知れないとか想像してしまうと、
命を、首を狙われて、悲惨な最期を迎えたエルフもたくさんいたのじゃないか?!
などと想像めぐらせてしまうのです。
時折、エルダが見せる、なんとも悲哀に満ちた優しい笑顔。
家康との別れや、これまで14代の巫女との別れに思いを馳せているのかな。
そう考えてしまうと、とても悲惨で血生臭い戦国末期に召喚された不幸は、
散って逝った同族エルフのこともあるのかな。
だからこそ、エルダは、昔の江戸の人々のことを訊かれても、
当時の、他愛もない遊びのこととか、庶民の生活習俗とかは語っても、
言うのが難しいこと、伝えてはいけないことを抱えて生きているのかな。
なんてこと、
思ってみたりしてしまいます。
寂しげなエルダの表情とか仕草に、
小清水さんのCVが凄くマッチしているので、
やさぐれてタンカ切る「キルラキル」の流子役も、
アラサーで行き遅れに悩む酒好きな「リコリコ」のミズキもよかったけど、
「狼と香辛料」のホロのように独特で、人とちょっと違っている感じが、
見事にハマっているようで。
なんだかいろいろ考えさせられてしまっています。