ato00 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ちょっと抜けた堅物主人公から元気をもらえるアニメ<追記;令和6年能登半島地震>
奥能登から希望を胸に上京した女子高校生、岩倉美津未。
ちょっとドジだけど、楽天的で前向きな性格。
ていうか、どちらかと言うと前のめり。
そんな魅力的な彼女に引き寄せられた人々の穏やかでトリッキーな日常を描くアニメです。
それにしても、美津未は志が高い。
T大から官僚、政治家ってお堅いこと。
しかし、入学式からやらかすなんて大笑い。
なんか、その辺の滑稽なギャップが楽しいです。
恋愛色の薄いラブコメディー。
ていうか、圧倒的に友情成分が多いよう。
美津未の友人たちも、主人公に負けず劣らず個性派揃い。
絶対に諦めない美津未を見ていると、色々思うところがあるようで。
トラウマとはいえないけれど、心に鬱屈したものを持っているようで。
みつみの言動に、明らかに影響を受け成長しています。
出会いはいつも偶然そして突然。
衝突しつつも人と人との交わりの中で変わっていく。
そんなドキドキな高校時代がうらやましく、そして眩しい。
楽しくて目の離せない、キラキラ感が半端ないアニメです。
<追記;令和6年能登半島地震>
{netabare}令和6年1月1日16:10、能登半島北東端を震源とするM7.6の大地震が発生しました。
震源域が能登半島北部から佐渡近くまでの約150kmに及ぶ、戦後最大の直下地震です。
このアニメの主人公美津未の出身地は鈴市イカ島町。
実際の地名は珠洲市蛸島町です。
その可愛くてユーモラスな響きは印象深く、JR能登線(能登鉄道)の終点として、私は昔から知っていました。
報道より、市内の古い家屋の大半が全壊したとのこと。
また、海岸沿いの一部が津波の被害を受け、斜面災害により孤立する集落が多数のようです。
復興を考える時期ではないのですが、将来的には困難な問題が多数あるように思います。
その最大の課題は少子高齢化、つまりは美津未の話していた過疎化問題です。
ただでさえ、先細りの片田舎にさらに過度な負担が加わり絶望的になります。
地殻変動で隆起した港の復興、大規模斜面崩壊や地すべりへの対策、住環境の整備。
生きていくために必要なインフラ整備は膨大な労力とお金を必要とします。
日本政府が行うことには限りがあります。
少し落ち着いたら、地方自治体自らが率先して長期的かつ総合的な復興および産業の創出をしていかなければならないでしょう。
町の魅力を引き出すための知恵が必要とされるところです。
このアニメで描かれた海や山の美しさ。
それを生かすことが街を活性させるヒントのように思えます。
21世紀初頭に旅行した能登半島。
数年後にはまたじっくり訪れてみたいです。{/netabare}