「16bitセンセーション ANOTHER LAYER(TVアニメ動画)」

総合得点
68.4
感想・評価
198
棚に入れた
538
ランキング
2123
★★★★☆ 3.4 (198)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

方向性が迷子

{netabare}
まさかこんなに低い評価をすることになるとは思わなかった。
7話までは今期1,2に楽しめてた作品なのに、後半どうしてあんなことになってしまったのか。
何年もアニメ見てきたけど、ここまで終盤でガッカリした作品は初めて。

とは言え序盤の面白さだけは確か。
何よりのこの作品の良さはエロゲ・エロゲ制作会社やアニメなどの固有名詞がそのまま出てくるところ。何なら作品内で"Kanon"について熱く語られたり、"コネクト"が流れたり、ちょっとおかしくなった"Fate"の広告がセイバーの声優そのまま流れたり...。
異世界おじさんもそうだったけど、実際の名前が出てくるのと出てこないのでは話への共感性が違う。
共感性羞恥を感じさせないような、絶妙な具合でそういう要素が練りこまれているから好きだった。

それはさておき、ストーリーはエロゲ大好き主人公コノハがタイムリープでエロゲを作るという内容。
ただただエロゲを作りたいという一心で過去でゲーム作りをしているコノハだけど、そんな過程で起こる問題を度々解決していく・・・。
仲間が分裂しそうになる度それを防いでいるのはコノハで、アルコールソフトという会社にとっては超重要人物だなと。
現に元世界ではアルコールソフトは倒産しているわけで、その倒産フラグを折っていくアニメともいえるのかな。
コノハの努力のおかげで、最初浮き気味だった守くんや、やらかしのせいで冷遇されていた社長など含めてアルコールソフトの皆が段々団結していく感じが好きだった。
数々の苦難や、アルコールソフト存続の危機を乗り越えてのゲーム完成にはカタルシスがあった。

凄いゲーム(ラストワルツ)を完成させましたまでは良かったし、その後世界が大きく変わるという流れも良かった。
(でも、コノハちゃんシュタゲを履修してるなら同じ轍を踏んでるって気づけなかったのかとはちょっと思う。)
シュタゲと言えばだけど、このアニメの9話のアキバが消えたシーンはシュタゲの同様のシーンと比べてしまって、かなり演出がしょぼく感じてしまったかな...。

まあ、そこはまだいいとしてその後の予想の遥か斜め上を行く展開に困惑。
もう一度ゲームを作るって流れで良かったのに謎のSF要素 + 超展開。
見たかったのはゲーム作りなのに、マトリックスでも見てるかのような気分になった。
人をカプセルに入れて脳を接続してゲーム制作を行う謎組織、強引にコノハを連れ去るサングラス男、揚げ句の果てにUFO...もう何アニメだよって...。いつの間にかSF・サイバーパンクモノに・・・。
アメリカに萌え文化が浸透する、までは百歩譲って分かるけど、出来のいいエロゲ1本でこんなにAI技術等が進歩するのかってのも疑問。
その謎組織内で初めて冬夜も話に大きく絡んでくるけど、過去ではたまに出てくるけど特にストーリー上で何もしない影の薄いキャラだったので二人の間の話に関してもあまり入り込めず。
この超展開はちょっと神様になった日を思い出す。

最終話は駆け足でもう一度ゲーム制作。
ラストワルツの時に比べて随分あっさり、アニメ尺で1分ぐらいしか制作シーンがなかった気がする。
そのせいで、ラストワルツを超える作品を作ったはずなのに、ラストワルツ完成の時に比べて全然カタルシスを感じない。
2023の守くんから過去の守くん宛てに、事情説明の手紙を渡すシーンや、その作ったゲームを過去の皆に見せるシーンといった、絶対に描くべきシーンに関しては描かれすらしない駆け足っぷり。
正直アキバがおかしくなった→みんなでもう一度ゲーム制作、で尺は丁度のはずなのに、なんで不必要な要素を入れたのか。

最後はタイムリープものらしく、また過去を改変したら記憶が消えるのかという葛藤話があるけど、この作品の場合消えるのは別世界線2023年の守くんとの記憶なだけで、感動話にするには薄い。
責務に追われてただけで2023年のコノハと守にそんな特別な想いある?って感じ...。
最後のゲーム作りの最中に色々思い出があったのかもしれないけど、それなら尚描写不足。
タイムリープのきっかけとなるエロゲを売っていたおばさんや、エコーの正体は謎のまま、伏線を上手く回収できているとはいい難い最終回。

あと、最終話でかなり気に食わなかったのが、女の子だけ見た目を一切変えなかったこと。男キャラは皆更けてるのに、女キャラは見た目そのまま。
萌えキャラだからおばさん化するのは抵抗もあるんだろうけど、逃げでしかない。
それに、コノハだけが変わってないっていう見せ方をしないといけない場面だろうに、これは最悪。何もわかってない。

唯一後半で良かったのは、自分の意思だけで元の世界に戻そうとするのではなく、今幸せに暮らしている元の仲間のことも考えた上で行動したことかな。
ただ、コノハがなぜそこまでして元の世界のアキバに拘るのかは分からない。アメコミと融合した萌えコンテンツを嫌うのは理解できるけど・・・。
でも、アメコミ風になった萌えコンテンツは確かに視聴者やコノハからすれば最悪だけど、あの世界でそう思ってるのは恐らくコノハだけ、と考えると、もう一度リスクのある(どう未来が転ぶかわからない上、元の世界に戻ることは絶対にない)タイムリープするのはコノハのエゴでしかないようにも思う。自分の責任でもあるのに。

この超展開からの大団円が昔のエロゲっぽくていいと言っている人も結構いた気がするけど、いやいや昔のダメなエロゲを再現してどうするんだよ...ってのが自分の感想。

作画や声優は特に文句はなし。
ただ、OPは微妙。映像はいいけど、何故しょこたんなのか。
KOTOKOとかで良かったろうに。
EDは哀愁漂っていて作品にマッチしていたと思う。

私的評価:28点
私的ベスト回:4話
{/netabare}

投稿 : 2023/12/28
閲覧 : 202
サンキュー:

7

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