ハニワピンコ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
もう一人の私からわたしへ
2019年の映画化から久しぶりの続編となる本作。今作を花楓編、そして次作を咲太編として二作を連続で公開して一気に高校生編を完結へと導く一挙展開は、久しぶりに大好きな青ブタシリーズを今年は堪能し切れた
テレビシリーズにて描かれた「かえでと花楓」という妹の持つ思春期症候群のストレスから生まれた別人格の二人。その概要とそして記憶が戻り花楓となりその整理と新しい踏み出しが始まった。しかしそれは咲太の中での決着で、本人特に花楓はかえでとして過ごし残した部分をどう受け止めて、そして自分はどうしていくのかということが受験 そして中学卒業という時期に満を辞して描かれるのが本作の内容
まず自分はこのシリーズ大好きで、様々な思春期症候群にて描かれる切なくてそれでも元気をもらえる前向きになれるエピソードももちろん好きなのだけれど、藤沢という実在の街を舞台にして実在のスポットや施設を利用したりするアニメと現実の融合という部分で自分はかなり気に入っている
本作も実際は七里もない七里ヶ浜を始め…などしっかり取材された上で描かれる背景や場所の描写はその場所にいるキャラに想いを馳せられる大きな役割を果たしていた
さて内容。テレビ本編で描かれた妹編から時間は経ち、記憶が戻りもう一人の私“かえで”が過ごした二年間の思いを受け継ぎ“がんばっている“花楓。この”がんばっている“というワードがかえで そしてこのシリーズを象徴するとても良いワードだと思っている
思春期症候群という自分の深層の不安が様々な症状を発生させる心の病。それを解決する為には自分自身の現状を変えるか精算するしかなく、その為に行動し”がんばってきた“テレビシリーズ 映画で描かれてきたヒロイン達。かえでも最初は自分のそして咲太の為に外に出て学校に通えるようにがんばっていた。この拙いながらも健気さを象徴するこの表現、そのワードを花楓も使ってもう一人の私と向き合っている様子が両者が意識し合ってその解決へ全力でがんばっている様子が見れて良かった
そしてその解決も、逃げではなく正しい選択肢として示された自分の本当に進みたい方への、それを応援し尊重してくれる人が周りにいて、そして何より花楓自身がかえでとの思いを受け継いだ上で決断する、自分の選択肢として描かれる通信制という道も、本人の決断という花楓の努力と成長が見られて、最高の形で決着された
映画化に際して別に必ずしも派手じゃないしっかりと劇場で見るからこそ堪能し切れる作品も劇場体験見る醍醐味であると思っている。まぁ自分もミニシアター系の作品を超見るって訳でもないけれど、やっぱり家でテレビで見るのと劇場で腰を据えて観るのとではやっぱり作品に対する意識や見方も変わるから、結論この作品は劇場で見れて良かったです
そして続きの『ランドセルガール夢を見ない』へと渡され、次作で高校生編完結へと導かれる。ランドセルガールとは。何故麻衣さんに似ているのか
思春期症候群を巡る物語はまた新しい1ページを描き始める