Mi-24 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
助走期間が長過ぎてだれるが、終盤の怒涛の展開はまさに傑作
最後に主人公の「羽鳥智世」が言った事がとても印象に残った。
「手放してしまったもの」
「欲しくて手に入れたもの」
「大切にしたいもの」
「切り捨てたもの」
「何が正しいのか分からないまま、進んでいくしかないんだろうか」
このアニメは登場人物達に血が通っている。
登場人物はみんな良い面と悪い面、優しさと残酷さが共存している。
0と1、白と黒でくっきりと分けられる作り物の人形のような人物像ではない。
やはり血の通った人物達の織り成す物語は面白い。
主人公の羽鳥智世が有能なので見ていて気持ちいい。
自分に取って大事なものを切り分け、決断し実行できる。
その結果、誰かを傷付ける事になったとしても躊躇しない。
言い訳しない。
大切なものを守るために人を殺す事になったとしても、そのことから逃げずに事実としてきちんと受け止める。
辛い結果も自分の中に抱え込み、自問自答し続けるのは立派だった。
口先で綺麗事を並べるだけで、肝心な事からは無責任に逃げる。
中身のない薄っぺらい詐欺師が「ヒーロー」と持て囃される酷い作品がまん延する中で、羽鳥智世の有能さは貴重だ。
神の描写も凄くいい。
人々に無上の喜びと恵みをもたらすと共に、善悪に関係なく理不尽な死をばらまく神。
「神が助けてくれる!これで全部解決!」とはならず、自分たちが主体的に行動しないと何も解決しない結末は良かった。
ラスボスの敵も印象的だった。
散々やらかしたフィロメラの祖母の言葉
「これは私個人の問題であってお前達は関係ない」
しかし他人を攻撃した時点で、その理屈はもう通用しない。
攻撃された人が、その人の個人的理由で殴り返してくるのは当然の事だ。
自分だけは一方的に他人を殴れると思っていそうな残念な思想が、マスゴミ(新聞社やテレビ局などの大手マスメディア)みたいだった。
あと、学院(カレッジ)の無能さが凄かった。
全て後手に回り、結局学院は何もできなかった。
自分が必要なものを得るために利用するのならいいが、学校や教師に何らかの助けを求めても、何も解決しないのは何処の世界も一緒か。