テナ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
優しくて暖かい。
日常系です。
事故で両親を喪って長男の隼が父親替わりとなり弟達のお世話をしながら4人で力を合わせながら頑張る4兄弟の話しです。
日常系だけど結構考えさせられる話や感動する話も多く面白いです。
なんだろ近い作品で言うなら「みなみけ」でしょうか。
あちらほどコメディ感はありませんが近いものを感じますね。
【長男 隼】
3人の弟を育てる親代わりのお兄ちゃん。
兄弟がバラバラにならない様に一緒に居られる様に親戚を説得したり弟達の為に頑張っているお兄ちゃんです。
同窓会の話で、隼は弟達の可愛さを熱弁してしまう…………
で、それを聞い同級生がドン引きで隼の陰口を叩いて居ていたのを耳にします。
コレは……言われたら悲しい……
陰口ってエグいからね…………
同窓会で友達の話す海外旅行とか、社長とか、海外出張を羨ましく思って、子育てを投げ出してしまいたいと思ったらしいです。
私は子育てはした事がないんだけど……
きっと私の想像より大変なんだと思います。
子育てを投げ出したいとか、子育てする事の悩みとか、色々あると思う。
けどさ、投げ出したくなるとか、悩みとかそう言うのって頑張っているからこそなんじゃないかな?と思うんです。
本当に弟達の事を考えているから、向き合っているからこそ感じるものなのではないでしょうか?
多分、本気で必至だから湧いてくる気持ちで、本気で必至じゃない人には絶対に湧かない感情だと思う。
隼のお母さんが弟達にしてあげたかった事をしてあげたいって気持ちもよかったなぁ〜
親ってきっと本当は子供が何不自由なく育ててあげたいものだんだと思います。
けど、実際、生活って各家庭で違うと思うんです。
だからこそ、親ってのは隼の母の様に、「あの時はああしてあげたかった」「こうしてあげられたらよかった」なんて後悔を抱えながらも頑張ってくれてるのかな?ってのも感じましたね。
私は親ではないので作品を見て感じた事を書き記してみましたw
【次男 尊】
三男湊とは同級生で誕生日が11ヶ月しか変わらないお兄ちゃんです。
湊とは正反対で凄くしっかりしたお兄ちゃん。
彼にはお兄ちゃんに産まれたからこその悩みがありました。
湊は幼い頃からしっかりしているからかお母さんは、ヤンチャな湊にかかりきりで……
逆に湊は何でも上手く出来る湊に嫉妬して彼の頑張った書いた絵に落書きをしてそれで喧嘩して怪我をさせてしまう。
お母さんは「お兄ちゃんでしょう!」と怒鳴りつける……
お兄ちゃんやお姉ちゃんは経験あるんじゃないかな?
喧嘩したり、玩具を奪い合ったり、何かを我慢させられた時に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのにダメでしょう」って言われるのは辛いよね。
そんな理由じゃ納得出来ない……
歳が凄く離れているなら我慢が出来る。
私は4つ下の弟がいるけど何かある度に言われたけど、それが辛かった。
尊が「お兄ちゃんじゃない……」って言うのも凄く解る気がしました。
尊の場合は11ヶ月しか違わない……
4つの私でも理不尽に思っていたのに、11ヶ月ならそう感じるよね……
思わず尊が放った「湊なんか産まれて来なければよかった」
コレは私も限界が来た時に弟に言った事がありましたね……
酷い言葉だよね……最低だよね。
けど、やっぱり限界だから……
我慢させられたらやっぱりどうしても吐き出しちゃう……
尊もさ、きっと、傷つけようと思ったわけじゃない……どうしようもなくてその言葉がポロリと出ちゃったんだと思います。
けど、隼から湊の気持ちを聞かされて、隼の様な優しいお兄ちゃんになろうと尊は決意するのでした。
彼は今しっかりしたお兄ちゃんなのですが、近くに素敵なお手本の隼が居て、尊の弟への優しさが、今の優しい尊お兄ちゃんになったのでしょうね。
このエピソードを見て世の中のお母さんが「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょう」って言うのは、もしかしたら、お兄ちゃんだからお姉ちゃんだから信頼してるって事なのかな?とも思ってみたり?
けど、子供のうちはやっぱり中々理解出来ないものですよねww
【三男 湊】
作中では少し問題児ぽい雰囲気が最初にあったんですよね。
長男の目覚まし時計を止めて自分が朝食(隼曰く発ガン性物質)を作ったり、四男の學が兄の隼が忙しいから花火大会に行きたいけど言いだせない弟の為に黙って弟を連れて行ったり……
隼が怒る理由もわかるんですよね。
寝坊させて朝食も台所もめちゃくちゃ。
後片付けする身にもなれよ、目覚まし止めるイタズラするなよ……って思うよね。
勝手に弟と2人で祭りに出て何かあったらどうするんだよとかさ。
けど、私も小さい頃に両親が楽になればと思って勝手にしたお手伝いで叱られた事がありました。
私は少しでも両親の力になればと思ってした事なんだけど、大人にはそれが迷惑だったり余計な事にしか映らなかったのかと思うと悲しく思ったのですよね。
だから、湊の「役に立ちたかった」って気持ちは私には解るかな?
子供から見たら例えそれが迷惑だったとして怒られたとしても気持ちは知って欲しいものなんですよね。
そこは、尊が上手く奏の本心を伝えてくれて良いお兄ちゃんだと感じました。
【四男 岳 】
この子は輪をかけて立派な子ですねww
この歳でこの冷静さと落ち着きは……
既に私より大人ではないでしょうか?
岳は自分が小さい事へのむず痒さを感じでいる様で自分達の世話を頑張っくれてる隼の力になりたいと思ってる子です。
いい弟さんだ!
しっかりし過ぎてるww
彼には悩みがあって、自分が小さいから負担を掛けてしまうのが隼の迷惑になっているのではないかと言う兄への申し訳ない気持ちがあったのでした。
けど、その言葉で隼を傷つけてしまうかもしれないから本心を言えなくて……
けど、最後は自分の気持ちを伝える事が出来たのはよかったかな。
家族だもんね。
気を使って話せないのもわかるけど、本心を話せないって言うのも寂しく感じますもんね。
さて、ここまで4話なんですが4兄弟の心情とかが上手く纏められている気がしたんですよね。
ここからはテーマに纏めて簡単に書いていきたいと思います。
湊の親友の宇多ちゃん。
2人は仲が良く恋愛感情が一切ない親友の関係。
ある日、宇多に彼氏が出来て周りから一緒に居にくくなると言われる。
当然ですよね。
自分の恋人が親友だからって異性と遊ぶ事にヤキモチを焼かない人は居ないと思う。
人間そう言うものなんですよね。
私も、異性の友達に恋人が出来たら遠慮すると思う。
けど、それが納得出来ない湊は2人の関係を潰そうと考える湊。
ここで、人類の永遠の疑問の1つ「異性に友情は成立するのか」と言う疑問がありますが、皆さんはどうですか?
私はね、成立するとは思う。
正確には「成立するけど継続しない」ってのが答えかな?
友情なんて同性でも異性でも成立します。
異性だから友達になれないなんて絶対ないよ。
けど、やっぱり継続は出来ない……いゃ、継続させてはくれない……
真実はどうであり見られ方の問題ですが……
自分の異性の親友に恋人が出来た時に気にせず親友だからと遊びに行くと、周りから浮気してるとか遊んでるとか言われる、そして何より恋人に心配したり不安にさせたりヤキモチを焼かせてしまい傷つけてしまう結果になる。
けど、私も同じで恋人が親友だからって異性と遊びに行ったらって考えたら多分ヤキモチを焼くから私もその友情を素直に認めてあげられなくなっちゃう……
だから、友情を継続させてあげられない……
逆にお互いに恋人を作らずに居ればそれは成立すると思う。
それが恋愛に発展しないとは限らないけど友情は友情で成立する関係はあると思う。
けど、難しいよね……
正直、湊の疑問を解らなくもないし、考えたら可笑しいのも解るけど、やっぱり心では認められない問題ですよね。
宇多の彼氏の森田が最低男だった件w
森田「男みたいな喋り方おかしいよ、足とかも広げて座らない方がいいんじゃない?女の子なんだから」
私が嫌いな言葉で「男だから」「女だから」とか言う人は嫌ですね。
性別とか関係ないよ。
男だから男らしくとか、女だから女らしくとか、それはおかしいって思う。
それを誰かに教養させようとするのってどうなの?って思う。
性別とかじゃなくて、「その人らしさ」ってのが大切なんじゃないの?って思う。
湊が言った事が本当に全てだと思いましたね。
宇多とお母さんの話はさ。
お母さんは娘に離婚の理由を言えなかったみたい……
だからこそ、宇多は心を閉ざしてしまう。
お母さんは娘に「父親の浮気」が原因だと言えなくて娘は父に会えなくなったり転校させられたりした理由が全然解らなくて、それで不貞腐れてしまいます。
言葉にしなくても伝わるなんて人も居るけどさ、
私はどんな事でも、誤解なくしっかり伝えるには、しっかり言葉にする必要があると思うんです。
言葉にしないからこそ、誤解する事やすれ違う事も多くあるからです。
やっぱり相手と話して気持ちを知らないと理解されないし出来ないよ。
他人も友達も恋人も家族も話さないと伝わらないものがありますよね。
岳の授業参観の話なんですが、岳は授業参観のお知らせを渡せずに居ました。
理由としては、兄の隼が仕事を休むと休んだ分忙しくなりただでさえ忙しいのに更に負担を掛けてしまうと考えたからです。
この子……立派過ぎません?
で、岳は隼に隠し通す決意をするも……偶然知ってそれをバラそうとする湊
湊は岳が本当は隼に来て欲しいて思ったからでした。
理由として、自分がお母さんに授業参観を最後まで見ていて欲しかったからです。
彼は兄の尊と同級生だからお母さんが参観する時間は半分づつで、お母さんが来てくれたのがうれしくて、途中でお母さんが退出するのが寂しくて、本当は最後まで見て欲しかったみたいで……
だから、隼に伝えるべきだと考えたみたいで……
彼は兄である自分が学校をサボって授業参観に行こうとするけど、それが尊にバレて、隼にバレて、サボっていたのが先生にバレて、共犯の宇多が犠牲になって……
兄弟全員で授業参観に参加することになる。
皆、優しいよね。
岳の気持ちを尊重したりとか、隼の先生仲間とか、兄の奏も尊も隼も、力になってくれた宇多とかおじいちゃんとか和歌とかさ。
結果、沢山の人に迷惑を掛けたと泣き崩れてしまう岳。
確かに、彼が嘘をつかなければこんな騒ぎにはならなかったよね。
でも、泣かなくて良いよ。
そんな小さい体で全ての事を背負わなくてもいいんだよ。
誰も悪くないんだよ。
相手を思うからこそ起きた事だもの。
けど、優しいからこそ、その優しさが痛く感じたりとか、迷惑をかけてしまったとか背負い込んじゃうんだよね。
けどさ、子供の岳がこんな時に言う言葉は多分、「ありがとう」でいいんだよ。
きっと、その方が皆も嬉しいよ。
結果はどうであり皆が岳の為に頑張ってくれたんだからね。
ホントに岳は良い兄や周りの友達や大人達に恵まれていますね。
私は授業参観なんて嫌でしたね。
だって、帰ったら「よそ見をしてた」「なんで手を上げなかったの」とか言われるのですよ…………はぁ〜嫌ですよ…………
けどさ、私は思うんです。
仕事を休むって大変だし、休んだ分の仕事が溜まるとしても、授業参観に見にくる親にはそれだけの「価値」があるのだと。
出来れば行ってあげたいものなんだと思ったんですよね。
だから、気を使わなくていいんだと思いましたね。
尊のブラコンぶりがいいよねww
湊も湊で岳を可愛がりブラコンってのがまた面白いよねww
ブラコンの三角関係ww
こんな仲の良い兄弟だといいよねw
ただ、湊の岳が産まれた時の反応は少し気持ちが解ります。
昔、私が1年生の時に小学校から帰ったら赤ちゃんが居たんです。
なんの前触れもなく私に弟か妹が出来たと思って大騒ぎでした。
しかし、母に聞くとご近所さんから預かった男の子の赤ちゃんでウチでよく預かり私はよく話しかけたり頬をつついたりしてましたね。
そう言うのもあってかよく私についてきてたりしてた時期があったり可愛がっていましたね。
だから、湊は岳が成長をしても可愛がる気持ちは凄く解るかな、赤ちゃんから知ってると多分湊みたいになりますww
私の友達も高校の頃に10個以上離れた弟が凄く可愛いって話してましたねw
やっぱり小さい頃から知ってる子っていつまでも可愛く見えるのだと思います。
そう言う意味では小さい頃から知ってる尊も湊がそう見えるのも理解が出来ますね。
ただ、この兄弟、四男の岳が1番しっかりしてるww
長男、隼が体調を崩す話はね。
湊の心配を掛けたくないって、旅行に行く宇多達家族に気を使うのは優しさですね。
で、湊が看病をするテンションではなく張り切って居て、体調が悪い人が見たらテンションに疲れそうだけど、知識をメモしたりとか本当に看病に真剣に向き合っている事が伝わるのがいいんですよね。
ただ、皆の看病があっても回復せず……
悪化してしまいます。
しかも、かなりの悪化で……
湊は隼が居なくなると想像してしまい不安になった湊は旅行に行った宇多達家族を頼ります。
で、湊は旅行を邪魔をしたと気に病んでしまいます。
このエピソードはね。
子供の頃って、結構死がチラつくんですよね。
私は特に大袈裟な子で血が沢山出た擦り傷とかカミソリで指を切っただけで死ぬのではないかと騒いだり、誰かの体調が弱っていると悪い想像ばかり膨らむ人間だったので、湊がそう考えちゃうのも解ります。
特に、湊達は両親を事故で失っているから家族が居なくなる辛さや苦しさを痛いほど解っているから強く感じたんじゃないかな?
で、宇多達家族も優しいよね。
旅行先から帰ってきてくれるのも簡単じゃないよね。
色々と帰宅の準備や旅館など施設のキャンセルしたりとか、それでも即座に帰ってきてくれたのは本当に心配してくれたからで、楽しみにしていたのを知っているから湊は気に病んでしまうけど、やっぱり湊が助けを求めたのは正解だと思いました。
もしも、旅行を邪魔した事を怒る人が居たとしたら、そんな人はきっと帰ってきてはくれません。
それでも、帰ってきてくれて心配してくれた。
それが私は宇多達家族の気持ちなんだと思います。
にしても、岳はホントに気遣いが凄い……
長男と4男でお互いに気を使い合う姿もね。
なんか、お互いがお互いを思いあって何気ない言葉に少しとまどったりして大変だと思うし面倒くさくも見えちゃうけど、それだけに優しい兄弟なんだと感じましたね。
ステキな家族だと思います。
ただ、この4男の岳の家族で行く墓参りシーンをみて、この子は本当は両親に甘えてたい年頃なんだなぁ〜って、けどお兄ちゃん達が両親の代わりに頑張ってくれてるのもしっかり分かって居てそれが嬉しいのもあるから彼は彼なりにお兄ちゃん達の事を考えて居るんだなぁ〜ってw
彼らはお兄ちゃんだけど、それと同時に親でもあるのかもしれません。
こちらの作品は、考えさせられる部分や彼らの優しさに涙が流る物語です。
OPやEDも素敵なのは勿論ですが優しさや気遣いが多少オーバーリアクションかな?と思う部分な有りますが、それを踏まえても内容も凄く素敵で家族の優しさや絆と言う物が感じられる良作かと思います。