芝生まじりの丘 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いかにもweb漫画という感じ
力を抜いた画風で話の展開が即興的であるという点でいかにもニコニコ静画発の作家のweb漫画という感じがする。
漫画として読むかというと多分読まないのだが、あまりこの手の力を抜いた作品のアニメ化を見たことがなかったので新鮮な気がした。お兄ちゃんはおしまい、とかもニコニコ静画の作品のアニメ化だったのでなろうの裏でそういう半アマチュア的作品のアニメ化の開拓も結構進んでいるのかもしれない。
最初の1話は次期魔王を決定する試験に多くの魔族と人間の勇者ヘルクが挑み、四天王ヴァミリオが勇者ヘルクを王にさせないよう苦心するがヘルクは罠や不公平をもろともせず試験を突破していくという様が描かれるギャグテイストの話から始まる。
四天王が腐心して罠を仕掛け、しかしその期待を裏切り勇者は軽々試験を突破していくという様は、トムとジェリーで毎回トムがジェリーを捕まえようとして失敗したり、ケロロ軍曹で毎回世界侵略を企むも何か障害が起きて失敗するようにある種型に嵌った物語のように見える。
しかし、想像に反して試験編は序盤に終わり、より壮大な物語が始まる。
展開には雑な感じもあるが全体として不快感は少なく、斬新とは言えないもののそれなりに盛り上がる展開は作れていたと思う。
視聴者を大きく引っ張るのはHelckとは一体何者なのかという謎である。
自分がこの作品を見るきっかけになったのは「お前は一体何者だ」というティザーだった。
人物の認知を物語の鍵にするのは古典的だが優れた手法だと思った。
ただ、娯楽としての面白さはそれなりにあるが全体を見通した印象は薄く感じた。2クールやってストーリーを完成できないというほど壮大にする作品ではない気がする。
あえてチープ、という感じの力を抜いた作画なのだがこういうのは結局長続きするストーリーには向いていないという感じがする。