空色の猫 さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
人情話(?)だから全く評価できない。
姉夫婦の娘三人を大学生が引き受けるというスタートは別に良い。コメディならそういう初めから破綻ありきの状況はよくあるし、シリアスなものであってもファンタジーやSFなどでは設定が奇抜なことはたくさんある。
しかしながら、この話はコントでも異世界でもなく、現代日本を舞台としたハートフルストーリーだというから首を傾げざるを得ない。
この物語では“子育ての苦労”と“家族愛”こそが主軸であるため、現実にある社会的・経済的・法的な問題を詰めなければ成立しないのに、そこが疎かである。
一般的な知識を持ちあわせ、常識的な思考力を持っていれば想定される障害よりも、作中のハードルが低く設定されてしまっているので、困難を乗り越えていく話として観る価値がない。
キャラ設定もドタバタ・ギャグなら一向に構わないし、可愛らしく感じられもするのだろうが、シリアスを気取っているだけに緊張感の欠如が苛つきと失笑に通じてしまう悪循環である。
これだけ現実味のない性格と思考のキャラで、リアリティの必要な展開をしようとしていることに無理がある。
ママゴトをしている子どもたちを眺めて「微笑ましいですね」というのは分かるが、「主婦って大変ですね」という感想を述べたら怪訝な顔をされるだろう。
この作品を観て感じたのはそういう違和感である。要するに「何にも分かってない」のだ。
人情話にするなら相応の工夫が必要なのに、それを怠って着想(妄想)に毛が生えたレベルにしか達していない駄作。
細かいことは無視して、パパと慕ってくる姪っ子たち萌えという楽しみ方はできると思うし、それを否定はしないが、使いようによっては価値があるというだけで、作品自体の質が低いことに変わりはない。