STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
勇者の魔王討伐後の話だったり、勇者と魔王が仲良くなったりといった設定自体は他作品でも
あったりするが、本作はギャグものということもあって展開、設定、世界観などはかなり
異色感のあるもの。
その最たるものが作品舞台の情景、文化、風俗などが勇者や魔王が出てくる作品とは思えない
現代日本を思わせるようなもの。
かなり奇をてらった設定ではあるが、視聴者にとって身近な分、マックスのうらぶれた感じや
マックスと魔王の共同生活の所帯じみた感じなどが伝わりやすくなっていたりする。
現代の日本において魔王を倒す勇者こそいないものの、政治、経済、文化、芸能、
スポーツなどではヒーローと呼べるような存在はいたりするが、本作での現代日本的世界の
中でのマックス、フレッド、レオに対する国、大衆、マスコミの対応を見ていると、現実に
おける先に書いたようなヒーローを巡る状況への風刺やパロディに思える。
メインキャラのマックスと魔王だが、いずれも魅力的なキャラで、二人の同居生活がなんとも
楽しげでいい感じ。
この二人の関係性だがライバルのようであったり、友達同士のようであったり、母と子の
ようであったり、恋人同士のようであったりと局面局面で変わってみえるところが面白い。
この要因の一つが魔王が性別不詳である部分にあるみたい。
この点に関しては当初は観ている側としても男女のどちらか気になっていたが、魔王の
愛らしさに慣れてくると、作中の魔王のセリフではないが、どちらでもいいかと言う気に
なってきた。
この魔王の魅力に関してはキャストの大空 直美が大きく寄与している感じ。
それにしても「ガヴリールドロップアウト」のサターニャ、「ジャヒー様はくじけない!」の
ジャヒー様と、彼女の魔系キャラはハズレなしといった印象。
ストーリーは後半に行くほどシリアスになっていき、ギャグやキャラの魅力だけでなく、
話自体もなかなか楽しめた。
終盤ではかってはパーティを組んでいたフレッドとレオがぶつかり合うことになるが、
ここではそれまで自堕落な状態から変わろうとしなかったマックスがついに立ち、更に姿を
現さなかった第四のパーティメンバーであるユリアの行動が問題解決に大きく寄与するなど
なかなか燃える展開。
最終決戦ではマックスと魔王の連携があったりしながらうまいこと解決に導き、更にこの
問題の黒幕であったグリムスには因果応報的な結末があるなど、なかなか気持ち良い締め。
マックスが再び魔王との楽しげな同居生活に戻っていくのも良かった。
2023/12/17