みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
面白いと思えそうかどうかの雑な確率判断基準としては…
すごく良かった……!とは思わなかったですが、まあ、良かったには良かったですし、まあ、人生の最後近くでこの作品作れたら、宮崎さんもまあまあ満足なんではないですかね、ぐらいの穏やかなきもち。
良いと思えそうな人を確率的にざっくり考えると次のような感じかなあ。
(1)解釈できない話であっても、ストレスを感じない
(2)今までの宮崎駿作品をほぼ見ており、ナウシカ漫画版も読んでいる
(3)美術表現やアニメの作画表現にそれなり以上に興味がある
(4)芸術映画(ゴダールとか)も多少は見ている
全て当てはまるような人は、概ね反応いいんじゃないですかね。
特に、一点目は重要だと思っています。本作について「整合的な解釈」を頑張ってひねり出すのを楽しんでいる人も多いので、それはそれでまあ、いいのかなという気もするのですが、「整合的な解釈」の妥当性を担保するものは決して与えられるわけではないので、解釈の妥当性はみたいなのは、そこそこで楽しめるぐらいの鑑賞スタイルみたいなのを保てるかどうかというのは、本作の体験にかなり関わるかなと思っています。
本作の整合的な解釈を立ち上げようとするのは、絶妙なところがあって、どうしても衒学的なむりやり感が大なり小なり出やすいタイプの「読み解き」系の文章を書かれしまう人もいると思います。
一方で、「まあ、これは宮崎駿の個人史とそれなりに関わってる側面はなくはないだろうな」と思わざるを得ない部分の多い作品でもあるので、整合的な解釈をしてしまうことが衒学的だとも言い切れないところともあり、そこらへんの絶妙なさじ加減も、本作を語りたいと思う欲望を刺激するところなのかなと思います。
いずれにせよ、宮崎さんには残りの人生、幸せにすごしてほしいな、というほわっとした気持ちになりました。日本一有名な「やめるめやる詐欺」も無事、また詐欺になることが確定したようですし…