青星アーツ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
明日はきっと良い日になる
1990年代のドイツなどを舞台に、少年ヨハンを救った天才脳外科医ドクターテンマと、その後連続する事件に関わるヨハンを追った話で、先が気になる物語運びでした。サスペンスや人間ドラマの作りが巧みに感じられましたが、最後の話に至るまで盛り上がりや緊張を欠くことがなく、物語を追うことができました。
ヨハンはどうやって生み出されたのかといったことはわかりやすく明かされていないと思います。彼はなにかしらの経験から変貌を遂げたのか、もとから常人とは別の見方を持っていた人間なのか、その両方であるのか。また、511キンダーハイムでは何が行われていたのかといったことも気になりますが、最終話でもヨハンがおそらく警察病院から逃げ出して幕を閉じ、描かれない話を想像するようなところがあったと思います。大人な作品だと感じますが、少年漫画らしいくといいますか、最後にはドーンと決着をつけてほしいという願いもありました。
最後、平等に死を振りまく青年ヨハンを再び手術するテンマ。彼も彼の医者として目覚めた部分をぶらさなかったということなのかとも思います。ヨハンという人物は最後まで計りきれないところがありました。作品は硬派な、人情やドラマの多いものであり、話運びでも驚きがあったと思います。