ハニワピンコ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
前世のやり直しから、今世を生きていく為に
車に轢かれてルーデウス・グレイラットとして異世界へ転生し、トラウマ 後悔を持ち死んでいった前世から生まれ変わった今世では本気を出して生きて行く、そんな成長と変化、そして失敗を重厚なファンタジー世界と共に見せてくれた一期から、続きとして素直に見れて楽しい作品として楽しみにしていました
相変わらずちゃんと見せてくれる展開の仕方は、変に気負わないし首を傾げることもなく素直に見れてそれでいて興味を引かれる展開が目白押しで面白い
「自分がこの世で一番不幸だって顔している」これこそ確かにルーデウスを指すべき表現で、確かに深いダメージを負っているけれど、それを他人を攻撃する為でも自身の境遇を体現させる訳でもない、ただ自分への嫌悪そしてそれを閉じ込めて何もしないという目を背けている生き方
それが2期最初のルーデウスだった。しかしそれでも人を助け 助けられ、また失敗して新しい出会いをしていく中で見つけていく生き方、それこそ本当に今世を生きていく事に繋がっていく重要な描写で、ここの成長でまた一歩も二歩も進んだキャラクターとなった
絵の質感がザラッとしてるのは演出?
というか引きの絵のキャラの線がボヤけてる。無理に縮小拡大して合わせてるのかってくらい複数人描いた引きの絵は殆どボヤけてる
作画の感じを今更変えてやってる訳ないだろうから多分撮影でそういう演出にしてるのか、それともただのミスか。でもミスだとしたらほぼ全編に渡ってそれが起こってる以上、いくらアニメ業界でも『無職転生』レベルの作品でそんな事やるか?とは思う。撮影監督は同じだし、キャラデザは変わったけれどキービジュでは変わった印象(特に人物の線)はなかったからいざ放送されてみたら驚いた
学園編では戻った質感で綺麗になっていたからやっぱり演出?
折角だしこのままアニメーションについて語っていく。学園編になってキャラの日常的な側面を見せてくれる様になり、それを表現する細かいところに至るまでのキャラの動作や表情はとても拘って作られていて楽しめた。特にフィッツの耳やサングラス越しの目、ジュリエットの子供らしい動作、その他他生徒も良く映されていてそこの細かい描写もたくさん描かれていたし、演出面でも他転生者との会話の言語の切り替えや、ベタだけど意外とアニメで見ないディープな官能的な見せ方まで、さすがの作りで特に楽しめた
シルフィは確かに幼馴染でやっとの再会というヒロイン要素はあるし、ルーデウスも学園パートでフィッツ先輩自体に惚れたという両思いではあるけれど、ルーデウス目線でのエリスの件と視聴者目線でのエリスの件での乖離がある中で抜け駆けしてゴールしちゃうその役割をシルフィにさせてしまったのは勿体無いとは思う。好きなキャラだったからこそ“ちゃんと”してほしかった。それを1クールの締めにしてしまってこのクールのエンディングにして見せたのは釈然とはしない
全体としては前半クールながら1クールかけての、前半はルーデウスの立ち直りからその後、そして学園パートでのシルフィとの再会を描いており、正体を隠して別件や色々学園で起こる出来事でフィッツ先輩として関わっていき、他にもルーデウスパートで学園で新たに知り合った人との関わりも見せる展開の仕方が良く、1クールずっと気付く気付かないのすれ違い漫才だけだったら多分飽きてた。これは流石の硬派なしっかり作られた作品のストーリーでこれからも安心して見続けられる