てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
シリーズ中では評価芳しくないけれど、正統派の良作。惜しい点は多いが魅力が上回る
ゾイドシリーズ3作目で全26話。
前作に続き競技バトル系。前作よりもシリアスなのと、ユニゾンという合体要素が特徴。
【良い点】
良くも悪くもおふざけなノリが楽しかった前作と比べ、正統派な作風。
未熟な主人公がポンコツ扱い(実は伝説のゾイド)なライガーゼロと共に戦い成長し絆を深めていく王道。
主人公RDが良くも悪くも子供らしい未熟さあり、幼馴染ヒロインとの姉弟めいた関係や、マスクマンら年配の人格者やライバルとの交流など、成長劇として良かった。
伝説のゾイドはRDライガー自身、初代との関係を思わせるラストも非常に良い。
前作よりも縦軸のストーリー性があり、悪党の邪悪な陰謀に度々晒されながらもチームワークで立ち向かい、終盤ラストは昨日の敵は今日の友でライバルとの共闘で大勝利。
ラスボスの陰謀が加速する終盤はやや詰め込み気味ではあるが王道、今までのゾイドとの絆やキャラたちの想いが結集していく流れが熱い。
RDたちゾイド乗りのゾイドとの絆の力が悪ボスの分かり易い野望打ち砕く。
ライバル・ブレードがもう一人の主人公として機能していたり、マスクマンのドラマなど、各キャラの掘り下げも良い。
ゾイドが人々の生活に息づいている近代都市を舞台にした、ゾイドと人間の絆や関わり方の描写も良かった。
ゾイド治安局の保安官めいたチーフ・ガミーがカッコ良い、俺たちの街、俺たちのゾイドは俺たちが守る信念。
ゴジュラスギガとの絆は主人公以上に熱かった。
日常回はヒロイン・スイートとのラブコメ未満な微笑ましさが良い。
前作や次回作のお転婆系とは一味違う、奥ゆかしい良妻お姉さんなスイートが可愛かった。
エミーとのちょっとした三角ラブコメなど、シリーズで一番ラブコメしていた。
ゾイトバトルはユニゾンという合体によるパワーアップ要素が、賛否はあれど少年漫画やスーパーロボット的な熱さありこれはこれで好き。
キャラの成長やゾイドとの絆が深まる結果としてのユニゾンでピンチ打破は実に王道。
また敵含めてユニゾンを研究したり対策したりと縦軸ストーリーにも活かされていた。
作画はキャラデザがこの時代のアニメとしては少し洗練を感じて好き。スイート可愛い。
ゾイドバトルのCG作画は前作に見劣りはするものの、バトルの見せ場的には申し分ない。
ユニゾンの描写やバリアー展開など、スーパーロボット的な派手な見せ場も多い。
前作主人公演じたの櫻井孝宏氏含め豪華声優陣。
小室哲哉氏作曲の主題歌もカッコイイ。
惑星Ziなのに地球の怒り云々がツッコミ所ではあるが別に気にする程でも。
歌詞はちゃんと主人公に成長しろ的な力強さがあり良曲。「プライドが一番大きな敵になる」
【悪い点】
シリアスは良いが、悪党の陰謀がゾイドバトル以外の盤外の悪意多くて雰囲気がやや陰湿。
前作の悪党もゾイドバトルでは卑怯上等だったがあくまでゾイドバトルに限られていた。
その陰謀劇も散々引っ張った割にはラスボスがテンプレな小物だったり、終盤に詰め込み気味だったりとやや微妙。
このためかスロースターター気味で終盤盛り上がるまでが地味だった。
キャラドラマは良かった一方、マスクマンの正体とか主人公父との関係とか未回収多いのも惜しい。
2クールでは尺不足。前作も2クールだが作風の違いで十分だったが本作は不十分。
キャラの魅力は申し分ないが、ラスボス含めて敵陣営に小物が多かったり、扱いが雑。
バトル作画がシリーズ中では相対的に微妙な方。シリーズファンからの評価が辛い要因。
通常のゾイドバトルがやや大味だったり、良くも悪くも気合と根性での力押しが多かった印象。
最終戦も熱かった一方でシリーズ他作品のラスボス戦に比べるとボスが小物で戦闘も大味な感。
【総合評価】7~6点
ゾイドシリーズ他作品と比較しなければ十分に良作。
コアなゾイドファン目線でなければ酷評されるような駄作ではない。
もし、子供の頃このゾイドだけ見ていたら十分ハマれるくらい良かったと思う。
評価はとても良いにやや惜しい「良い」