青龍 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
こと恋愛に限っては先に逝った方が楽。
本作はアニメ1期完走前提なので紹介は省略して、いきなりネタバレ感想から。
{netabare}咲太は、ひねくれものだけど根は優しいので、最終的に自分が犠牲になって翔子さんを助けることを選ぶだろうとは思った。
だけどね、その優しさは違うと思うわけですよ。先に逝くということは、お互いの想いが強ければ強いほど、後に残された人の寂しさを考えると、それがどれだけ残酷なことか。言い方は悪いですが、こと恋愛に限っては先に逝った方が楽なんですよ。
今だと『葬送のフリーレン』がタイムリーですが、よくあるエルフが人間の恋人の老いてく姿を見て、残されて寂しい想いをするなら、こんな恋はしない方が良かった!というアレです(フリーレン様はまだちょっとしか寂しがってないですけどね…)。
(『すべてがFになる』で紹介したフランス映画の『髪結いの亭主』は、もっとぶっ飛んでますが…。)
案の定、咲太の意図を察した麻衣が咲太をかばって死んでしまう。それは咲太にとって耐えられない。だから、今度は彼女を助けようとするけど、お互いにかばい合うので、お互いが助かるためには、翔子さんを犠牲にするという選択を選ぶしかないことになる。
咲太は、まだ純粋な高校生なので、その決断をするために麻衣の死を実際に経験するしかなかった。
正直、映画としての本作は、ここで終わりで良かったと思います(実際、映画もこの先ちょっとハイスピード展開に)。ただ、続きものなので、矛盾なく続けなければいけない…。
【この先の展開について】
私の解釈は、翔子さんは小学校4年のときの将来の目標をうめられたことで、自分の将来を実現するための「翔子さん」を生み出す思春期症候群を発症しない新たな世界線が発生した。
この新たな世界線では、翔子の心臓病自体はよくなったわけではなかったが、麻衣が出演した映画の影響で、臓器提供ドナーが増え、翔子は助かることになる。
この世界線の咲太と麻衣は、翔子のことを直接知らないが、夢の中の出来事として翔子のことを朧げながら認識していたので(だから、同じ高校で出会えたし、麻衣は前の世界線と異なる映画に出演した)、アニメ1期の出来事も矛盾なく起こったことになっているのだと思う(違ってたらメッセージで教えてください。)。
なお、見たことがないはずなのに、どこかで見たことがあると感じることをデジャブ(既視感)といったりしますが、あれは、違う世界線の自分が体験していたことなのでそう感じるのだという都市伝説的な説明は一応あったりします。{/netabare}