青龍 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見える、見えるぞ、私にも元ネタが見える!(笑)
有名作品ということもあり作品紹介は省略。某レビュアーさんの「青ブタ」最新映画のレビューを見て、そういえば1期ってどんな話だったっけ?と思い、2度目の視聴を早速開始。
本作を初めて観た頃は、話題になってるから程度で、今ほどアニメをたくさんかつ真剣に観ておらず、『涼宮ハルヒ』や『物語』シリーズも、まだ観ていなかった。
なので、1回目の感想は、ちょっと不思議な話だなあとか、会話が軽妙だなあとか、ストーリーはかなり曖昧になってしまっていたけれど面白かったことは覚えている。
さて、今回の2回目の感想はといえば、タイトルにも書いたように「見える、見えるぞ、私にも元ネタが見える!」というもの。
私もアニメオタクとして順調に?成長しているようである(笑)
2回目の視聴では、1話冒頭の梓川咲太と桜島麻衣の会話を聴いて、あれ、これって『物語』シリーズの阿良々木くんと戦場ヶ原ひたぎ様の会話に似てるなあと。
気になって色々見てみると、同様の感想を持った人も多いようで、私の勝手な思い込みというわけでもないようだ。他にも、ハルヒの「エンドレスエイト」を彷彿とさせる話なんかもある。
ただ、私は、1回目と違って、元ネタがわかったとしても本作はやっぱり面白いと思った。
なぜなら、二次創作としてではなくて、先人が生み出したキャラの要素を抽出し、それをオリジナルの物語の中で違和感無く再構成できているのだとすれば、それはもう立派な別キャラだと思うからだ。
似てはいるけれど、違うものだと認識できればいいのだ。我々の人格だって、両親や友人といった周囲の人間を真似したものの集まりであって、どこまでオリジナルといえるのか。他にも、ちょっと実用的な話題になるが、特許関連も、結局のところ、大雑把にいってしまえば、「オリジナルと違うものだ」と認識できるかどうかで決まる。
極論ではあるが、現代の創作物は、先人たちの影響を受けて作られた以上、その影響と無縁ではいられず、全てパクリなのだ。過去の創作物の切り貼りでしかなく、それを巧妙にやったかどうかの違いでしかない。
むしろ、仮に先人の影響を全く受けずに本当に自分の独自性だけで生み出したものがあるとしても、それは他のものとの関連性がないから、全く意味がわからないものとして周囲に理解されずに終わるだけだ。
絵画だって、同じモチーフやポーズが使い倒されているが、模写でない限り、それをパクリという人はいないし、キュビズムとか印象派とか似たような作風であっても、それをパクリという人もいない。
結局のところ、歴史的な絵画の流れの中で、その作品が何に影響を受け、どう位置づけられるか、他の作品との関連性から意味が生まれる。
アニメも絵画と同じように、単に元ネタの影響を受けて本作が作られたというだけであって、それは当たり前のことだし、本作の面白さを削ぐものではないと思う。
(むしろ、個人的には、量子力学関連の設定の方が問題だと思うのだけれど、本作については、あまり真面目に考えないのが吉である。)。