鸐 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:途中で断念した
クラフターの習作?
各方々の低評価も頷けるストーリー展開。
各所にキーとなるだろう単語はちりばめられていますが、思想が強いストーリーのわりにわかりにくいのが難点で、動きにメリハリが無いし、引きの絵ばっかりなのでインパクトもない。
つまらなくなって途中から作業BGM代わりに流してしまいました。
100分は長かったです。
作画はキャラが3D背景は2Dと3Dの混合で、
キャラのモデルに関して言えば国内トップクラスの綺麗さ。
モーションキャプチャーを使ったアニメーションなのにどの角度になっても破綻がありません(実際はちまちま修正しているのでしょう)
影やHiの入れ方がとりわけ上手く、止めにしても耐えられるレベルのものが動画としてぬるぬる動いています(一か所影パカに気づきましたが、見逃しでしょうか)
引きの絵が多いのはもしかすると主観が入っているかもしれません。
ですが、そうした訳はあるんじゃないかと感じました。
・UPの印象的なカットがないので印象が薄い
・UPディティールを作る余裕がないので意図的に避けている
・作画だと全身を描くためにコストがかかる部分が3Dなのでコスト度外視で引きのLOをとれる
動きのぬるぬるさとディティールの薄さの関係性は手法は違えど惡の華を連想しました。
アニメというよりは実写に近いものとしてとらえたほうが腑に落ちる気がしました。
作品の題材となっている時を止める能力はモーションキャプチャーならではで上手くはまっていました。ほかにも3Dならではのカメラワークなど映像的に面白いシーンも見受けられましたが、物語に上手くはまっているかはわかりません。
映画のストーリーを盛り立てるものというよりは、映像としての見ごたえを追求したのかもしれません。
後者だとしたら、モーションキャプチャー主体による人智を超えない動きがキャラの動きとして存在しないのは映像としての見ごたえになるのか疑問には思います。
セルルックの3Dアニメは全編そうだと意識が霧散しかねないということがこの映画によって気づかされたことの一つだったりします。セルアニメで補助的に用いるのが一番輝くんじゃないかと。印象付けたいシーンとかライブシーンとか。
たまにこういうフル3Dのアニメを作ることは技術向上には役立つので良い面もあるでしょう。ですが今回のように視聴者の評価は芳しくないものとなることは覚悟しないといけないかもしれません。