シキ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
面白くはあったが説明不足な点が多くてもやもやした
まず、この作品を見て、説明不足なところが多く最終兵器彼女という作品の世界観に入り込めなかったなと感じました。どのようなところが説明不足に感じたかというと戦争が行われているというのは分かったが、どのような国と戦っているのか、なぜそうのような状況になってしまったのかという点が一つも語られていないということと、7話からちせが学校に行かなくなり、ちせは戦場で、シュウジは学校で、と会話の舞台が変わり、そこで、ちせはテツと愛し合うが、テツが死ぬ直前に、ちせはテツがちせとして好きなのではなく、ちせとふゆみが瓜二つであったため、ちせをふゆみと見立てて愛し合っていたということが明かされて、ちせもテツと出会った際にシュウジに似ていると言っていたので、ちせもテツをシュウジに見立てていたと考えられるが、ではなぜテツが亡くなった時にどうして私の名前を呼んでくれない的なことを言っていたのかなと思った。もしちせがテツ自身のことが好きなのであればちせが好きな人が亡くなったから前好きだった人に入れ変えるような女に見えてしまって純愛作品とは思えなくなる。また同様に、シュウジの方も瀕死の状態のアケミに告白され、シュウジの良心がうごかされ流れでその告白を受け入れキスまでした。このことについては、上辺だけの言葉でその場しのぎにしたことだと分かるが、その事を説明しておいて欲しいなと感じた。その他にも、ちせの体について、ちせの体は、タイトルの通り兵器となっているが、どのような仕組みになっているのか分からず、最終話では、今まではちせの身体に兵器が着いていたのに最終的にはちせが生成したのか分からないが、雲の上にちせの兵器が出来上がっている。また、明らかに質量保存の法則を完全に無視しているようなものを作れる技術力を持っているのにこれほどまでに攻めいられているのかがよく分からなかった。
これまでで、気になった部分を話した訳ですが、良い点というものもいくつかあり、戦争の部分はアレでしたが、恋愛という部分では、キャラクターの心情を細かく描かれていて、例えばあえて主要人物を死なすことで、その人と付き合っていた人がその人をどれほど愛していたのかなど、死という概念を使ってキャラクターの心情を描かれているのはとても感情移入しやすくて良かったです。最終話の、ちせが機械に感情を乗っ取られていたが、シュウジがちせに語りかけ、身体を触れ合わせると、だんだんとちせの奥底のシュウジが好きという気持ちが呼び覚まされていくシーンでは、どんなに機械に心も体を支配されて、殆どサイボーグのような状態なのにシュウジが好きだという気持ちだけは支配されず残り続けたというのがとても良く、また、1話でシュウジがちせはごめんなさいばかり言うという会話が掘り起こされ、ちせがごめんなさいと言った途端心が痛くなると話したときは鳥肌が立ちましたね。
最終兵器彼女という作品は1クールで作るには余りにも時間が足りなさすぎた印象です。説明不足な点が多くて自分は完成度が低く感じましたが、物語の大筋の部分はとても魅力的で面白かったので2クールほどでやれてればかなり良い出来になったのではと思うので、もったいないなという気持ちです。