ドウ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人類の宝。
あらすじ
~ {netabare}先代である父亡きあと、実家の「駒田蒸留所」を継いだ若き女性社長・駒田琉生は、経営難の蒸留所の立て直しとともに、バラバラになった家族と災害の影響で製造できなくなった「家族の絆」とも呼べる幻のウィスキー“KOMA”の復活を目指し日々奮闘していた。
そこに、やりたいことも見出せず職を転々としてきたニュースサイトの記者・高橋光太郎が取材にやってくるが・・・。{/netabare}~
『花咲くいろは』、『SHIROBAKO』など「働くこと」をテーマに日々奮闘するキャラクターを描いてきたP.A.WORKSの「お仕事シリーズ」最新作です。
本作は酒造会社の蒸留所で、ウィスキー作りに情熱を持ってひたむきに向き合う人々の物語です。
それは魔王を倒して世界を救う勇者という訳でもなければ、多くの命を救うスーパーマーンのようなヒーロ-という訳でもありません。
酒造会社の蒸留所で、ウィスキー作りに向き合う中で、経営的な問題やウィスキー作りそのものに対する厳しさなどがより現実的なものとして襲い掛かってきます。
しかし目の前の現実に血の通った人間の一人一人が手を触れ歩んでいく中で、はじめは大して興味がなかった人さえも情熱を持つようになり、一つのかけがいのない「人類の宝」を生み出すことに奮闘していく。
そんな素敵な物語が展開されていました。
昨今のリアルな世の中も見渡せば、人や社会への絶望や負の要素が時に鮮烈に、時にウンザリする程に転がっている世界と言ってもいいでしょう。
しかし、本作にはそんな世の中にもある人類の美しさや輝かしい希望が詰まっており、心を動かされる程に熱を持って表現されていました。
物語の起承転結も特に退屈することなく最後まで視聴する事が出来て、感動もありました。
エンドロール曲も未来へと希望を感じるような素敵な曲でした。
歌っているのは主人公役を務める声優の早見沙織さんですが、本作は彼女の魅力が詰まった作品ともいえるのでファンはもちろん必見でしょう。
特別「声優さん」自体にそれ程関心を持って注目している訳ではないアニメファンの自分ですら、エンディングなどで感動を覚えた程でした。
P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」、本作でも自分は満足のいく素敵な作品に出会う事が出来たと思います。
ウィスキー作りとその情熱を紡ぐ素敵な物語を、ありがとうございました。