ねるる さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:----
侮るなかれ!クオリティの高さが続く104分間!ゲゲゲの鬼太郎の父、目玉おやじの過去を描く傑作劇場版
2023/11/29 2度目の劇場視聴。加筆レビュー。
原作未読。SNSでの評判が良かったため劇場視聴。
PG12作品、上映時間104分。
日本人なら大人から子供まで、1度は耳にしたことのある作品、『ゲゲゲの鬼太郎』。主人公鬼太郎の誕生秘話、そして、鬼太郎の父についてが描かれる、原作者水木しげる生誕100周年記念作品。
正直なめてました。どうせ子供向けだろと、ド〇えもん、クレヨンしん〇ゃん、その辺と変わらんのだろという気持ちでしたが、正直凄かった、物語も作画もここ最近で見た中でも特別に素晴らしいアニメーション作品でした。
まず作画が素晴らしい。のどかな田舎の村の風景、緊迫感のあるおぞましいシーン、終始クオリティの高い画が続きます。ゲゲゲの父の戦闘シーンは瞬き禁止のスピード感と迫力のあるモーションで映画館で見る価値が間違いなくあります。
そして、物語。
メインの謎に包まれた一族の話は、しっかりとサスペンスホラーとして描かれ、飽きさせない展開が続きます。始まりから色々な伏線が貼られてますが、物語にのめり込むうちに自然と回収できるので、モヤモヤも残らずすっと繋がっていくのがなんともいい難易度で素晴らしい。
キャラクターも魅力的。主人公の水木は、根が真面目で優しさを捨てきれない苦労人なところがCV木内さんの好演もあって非常に良いし、飄々とした鬼太郎父とのタッグも最高の相性でした。腐った一族に囚われてるキャラ達もそれぞれバックボーンを考えるとまた沼が深そうで魅力的でした。もっともっと知りたくなる沼。
そして、今作の一番沼ったキャラ鬼太郎父。
鬼太郎作品には特に思い入れありませんでしたが、今回鬼太郎父(後の目玉おやじ)がメインとして活躍する姿を見て、まあ大好きになりました。愛でした。父から子への愛、夫婦愛、家族愛。
腐りきった一族の話がある一方で、鬼太郎父の生き物としての考え方がとても大人で優しく、深い愛で溢れていて、惚れるしかないキャラクターでした。見た目も抜群にオタクに刺さる。
本編のゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじはちょいキモのマスコットキャラクターと化してますが、なんとも深い、良いキャラクターな事が分かり大好きになりました。
PG12作品で、評判ではかなりエグイと聞いてましたが、グロさもエグさも個人的にはそこまで気分害するほどではなかったです。血が苦手な人は注意が必要です。
人気を得るための要らない楽曲コラボや、声優人気に媚びたキャスティングもなく、シンプルに作りたい伝えたいものをそれぞれのプロたちが制作し、磨かれ抜いた作品に感じました。
ゲゲゲ初心者でも充分に楽しめたし、なんなら昨今アニメで溢れる世の中ですが、作画も物語もメッセージ性も特段素晴らしい作品だったので、時間ある方はぜひ見て頂きたいです。非常にオススメです。