ドウ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「ゲゲゲの鬼太郎」をよく知らない人にも超オススメの傑作。
あらすじ
~{netabare}昭和31年。日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村(なぐらむら)。
血液銀行に勤める水木は一族当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。
人間も妖怪も何かを隠している呪われた村で、鬼太郎誕生に隠された秘密が明かされる。 {/netabare}~
作品タイトルでお察しの通り妖怪の世界の住人である鬼太郎の、誕生にまつわるエピソードが展開されます。
この過去エピソードが思いの外面白くて、内容的にはあるあると言えばあるあるなのですが。ベタながらも熱い展開がいくつも用意されていて、最後まで飽きる事なく視聴後には満足感に満たされた状態で劇場を去る事が出来ました。
(ちなみに内容的には『ゲゲゲの鬼太郎』を知らない方でも、ストーリー理解には特に問題ない内容でした。)
また原作者の水木しげるさんは戦争経験者で関連書籍も出ていますが、本作にも時代背景的に戦争を感じる演出が見られた点もあり、所々で水木しげるさんを感じるリスペクトがありました。
そしてただ過去の話しで終わらせるのではなく、いつの世にも現代にもはびこる人間の業や罪にも表現が及んでいる点も見事という他ありませんでした。
もちろん映像的にも戦闘シーン、ホラーな演出などなど見応えがあり引き込まれました。(なお本作はPG12の年齢区分あり。)
キャラクターもメインキャラがしっかり魅力的だったと思います。
ちなみに少し違和感のあった部分も挙げるなら。
{netabare}序盤に登場した興味本位に突撃したみたいな記者が、終盤立派な志ある記者みたいな感じにいつの間にかなっていたのは違和感がありました。{/netabare}
ただ些細な部分で、その違和感に対して不快感等マイナスな印象を感じる程でもなかったです。
この鬼太郎映画は、鬼太郎に全く触れてこなかった初見勢でも入れる内容なので、是非とも多くの方に観ていただきたいです。
自分は本当に楽しめた傑作でした。
(余談ですが、自分が水木しげるさんの漫画作品で一番好きなのは『猫楠、南方熊楠』のシリーズです。水木しげるさんは大好きな漫画家さんの一人で神。)